26 / 27
はじまり #7
デイヴと過ごすうちに、碧は少し元気をとりもどしつつあった。
元々少し会話は出来ていたのもあってスムーズに会話も楽しめるようになったようだった。少し笑顔も出るようになったのを見て祖母はとても安心した。
これで、碧がここにいるのが楽しくなればいい。
祖母はそう思っていた。
それから、2、3週間ぐらいたったある日のこと、碧は、いつものようにデイヴと過ごしていた。
だけど、少しデイヴの様子がいつもと違っていた。
碧は前日、父親といっしょに、こちらの学校へ行くかどうか、とりあえず学校の見学に行ったと話をした。
「……学校の代表生徒?にあたる、男子生徒と仲良くなったよ?デイヴがいろいろ言葉を教えてくれたおかげで会話もだいぶわかるから、とても感謝してる。うちの近所だから、今度の週末に遊ぼうって……言われた」
そう嬉しそうにデイヴへ話していると、彼の様子がおかしくなっていった。
「どうしたのデイヴ?」
碧は思わず聞く。
デイヴが今まで見たことのないようなとても怖い表情をして、
「行ってはだめだ…」
低く呻くような声で言った。
「え?何で?」
デイヴは答えずに、碧の手をぐいっと引き寄せる。バランスをくずして、倒れる碧を抱きしめ唇にキスをした。
「デイヴ…?」
「だめだよ…。アオイは。何も知らないから………」
そして、そのまま、デイヴは碧の首筋にもキスをしていった。
.
ともだちにシェアしよう!