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そして、今 #3
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ガタンッという音がして、碧はパッと目を開いた。
向山の運転する車が信号に差し掛かったとき近くの建築現場からの大きな音が急に聞こえたからだ。
碧は仕方なく竜士と車に乗ったが、隣に座っている竜士と話すわけも無く、少し目を閉じていたが、どうやらそのまま、転寝をしてしまったようだった。
(やはり、痛み止めの薬の効きがまだ残っているのかもしれないな……。たしかに、俺1人で帰るのは、恐く無理だっただろう……だけどコイツといっしょに帰るのは嫌だったんだけど)
碧は隣に座っている竜士を見て思った。竜士も目を瞑っていた。
そこから暫くして、榊のいる総合病院へと到着した。
碧は、竜士の付き添いを嫌がったが、無理やり付いて行く。それで、待合室に竜士を残して碧は診察を受けることにした。
榊は、1年前、碧が宮田に刺され救急で運ばれた時に担当して治療してもらった。偶然にも父親の後輩でもあったのもあって、以来ずっと診てもらっていた。
「碧くんあんまり、無茶するなよ」
榊が碧の傷を見ながら言った。
「はい…」
「君はなんでこう、トラブルを起こして怪我ばかりするのかな。今はいいけど、そのうち大変な事になるよ」
「分かっています」
「分かってない。いいかい?事件に巻き込まれて命を落とすのは君みたいな、少し腕に自信がある子ばかりなんだよ」
「大丈夫ですから」
何度も同じ事を言われていたので碧は閉口した様子だ。榊はそんな碧を暫く見て、思わずため息をつく。
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