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そして、今 #7
「昨日の、アレは宮田が絡んでいるんだ」
「何で分かる?」
「俺は、あいつを知っている。あいつの性格もな。あいつは、お前を狙ってるし恨んでもいる」
「恨んで狙ってる??宮田に前、刺されたのはこの俺だよ、"俺が"なら分かるけど?」
「少年院に入っている間に歪んだんだ」
宮田は、前々から色々な問題を起こしていて、碧を刺した事で、それは決定的となって、鑑別所送りになっていた。
そのまま少年院へ行き、そして学校は退学、それ以降、碧はよく知らなかった。
そこを出たという事も知らなかった。
「お前は、宮田の何?」
竜士は、碧を見て、一呼吸おいて言った。
「知っているというよりも、身内かな」
「身内……?宮田の仲間だったって事??」
「仲間なんかじゃないけど。まあ、言葉通りだ」
竜士はそれ以上は言わない。
「ただ、碧ちゃんが危険っていうのはすぐわかったから。俺は長年、碧ちゃんのファンだったからさ。すぐ来たよ」
「長年って??今朝も言ったけど、俺、お前なんて、全然知らないし」
「……ああ。碧ちゃんは知らないけど俺は知ってたんだよ」
竜士は碧を見て色々思い出していた。
(俺の親父と、碧ちゃんの父親は…いろんな意味での「知人」だ……)
…………
だから、その伝手を頼って、竜士は碧の父親に
……俺に碧ちゃんを守らせてくれ……
と頼んでいた。
宮田が院に入っている間に歪んで逆恨みを持って、碧に危害を加えようとしていると。ある方面で知った竜士はあらゆる伝手を使って碧を守ろうと思った。
そうしている間に少年院を出た宮田の行方がわからなくなっていた。
竜士の知りうる限りの手を使って宮田の行動を少しは分かるようにはなったけれどもそれも完全ではなかった。
宮田の親はあるヤクザの組長であったが。
その親にも見放されていた。
『一人に固執するのは馬鹿げている』
と、その親に言われていたが、歪んだ、やつの心は戻らなかった。
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