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そして、今 #8
「大丈夫、俺と居れば、碧ちゃんには何の危害も加えさせない」
「なんだソレ?俺は、あんな奴には負けないけど?」
「たしかに、まともにやったとしたら、碧ちゃんは負けないってことはわかる。だけど。……もう、その段階を越してる。まともには来ないだろうよ。……だから怖いんだ……」
「お前、自分は何もかも知ってるっていうわけ?かなり、驕ってると思わない?俺は、お前に守って貰わなくても平気だよ。だから、もう今日は、これ以上かかわってくるな」
碧はそう言うと、歩く速度を早めた。
「まて……」
「そこが、その角を曲がれば家だ。だから、もういいだろう?」
碧は踵を返してそのまま行った。
竜士はこれ以上は、碧の機嫌を損ねそうでそのままにしておくか……と思った。
(……多分、今日は大丈夫だろう)
そう思った。
(あいつはどこかで見てる……俺が関わってきている…と思ったなら)
すぐには来ない
はずだ
多分。
そう思いながら竜士は碧の歩いて行った方向をしばらく眺めていた。碧は角を曲がって姿が見えなくなった。
そして、碧が家へ入るのをすぐ見ようと角を曲がって玄関を見ると、すでに玄関に入ったのか碧の姿が見えなかった。
(こんなに早く玄関に入った?)
少しの疑問と。そして、
一台の白いワゴン車が竜士を追い越して行く。
「…あの車??」
窓にスモークフィルムが貼ってあった。
……まさか?
竜士は急いですぐに立派な屋敷と呼べる家の玄関のインターフォンを押した。
「あの、碧さんと同じ高校の相沢といいますが、碧さんに用事があって……」
しばらくの間。
「あら、碧さんはまだ帰ってませんよ。碧さんのお友達?」
と言う返事が帰って来た。
……しまった。あの車
竜士は携帯を取り出して電話をした。
「美山・・!」
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