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Confinement #7 ※
ドンっ
なにかがぶつかるような大きな音が響き渡る。そして、
ガンガンっ
なにか叩きつけるような音も響いていた。
その突然の大きい音にやっと碧は気がついて目を見開いた
だけど、碧の状態は、自分が一体どこにいるのかがわからない。
目は見開いてはいたけれども、何も見ていなく何も捉えてはいなかった。
過去の記憶に引き戻されていて、意識は何処か飛んでいた。その意識は半分ここにいて半分いない。
耳に入って来た音をただただ聞いているだけの状態だった。
碧は自分の身体が急に軽くなったのを感じる。上に伸し掛かっていた宮田がどこかに吹き飛んだ。
そして、なにか争う怒声が響き渡って、碧にはそれが何かは認識できなかった。
だけど、その怒声を聞くうちに、碧は自分の意識が少し戻ってきたようだった。
それは、宮田と誰かの言い争う声。少しづつその声を認識し始める。
「なんでここにいる!!?」
宮田の声。
「お前の行動ぐらい分かる」
誰かの声
「てめ……!!はなせっ!」
そう言いながら宮田がその誰かに殴りつけられていた。
碧は今の景色を目に映し始める。それは、
「……竜士?」
声を上げる。
それは竜士が宮田を殴りつけていた。
「碧ちゃん」
そこに竜士がいた。
………
………
それは、今から少し前のとき、竜士が必死に宮田のいる場所を探し出して、突入したその
竜士の目に飛び込んで来たのは、全裸で縛り付けられてる碧とそして、上に乗っている半裸の宮田。
「竜良!」
「竜士、来たのかよ?もうちょっと碧とヤりたかったんだけどな。じゃあ、なあ、一緒に碧と楽しもうか?」
高らかに笑う声。
「お前!」
竜士は何人かコワもての男達を連れて来ていた。
すぐさま宮田は捕えられたが、竜士はさらに宮田を痛めつけ激しく殴りつける。
「止めてください竜士さん。後はこちらにまかせてください!」
「分かってる美山。後は、親父と龍一兄貴に任せる。でも、もう一度コイツを殴らせろ!」
その竜士の言葉を聞いて
「竜士……はは、碧は、イイ感じだよ?」
宮田はくくっと含み笑いをする。
「それ以上言うとホントに殺す。いや、今コロシテやるよ」
竜士は思いっきり殴った。顔も腹も蹴り上げる。
「竜士さん!」
美山が必死で制した。
「美山、お前まで来たのかよ?」
宮田は血だらけな顔になっていた。そして、
「竜士、楽しかったよ?」
あははと笑って、男達に連れていかれた。
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