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Confinement #9 ※

碧を押しつぶそうとしているのは、今までずっとずっと心の奥底に見えないように蓋をしていたもの それが溢れ出てきたから。 今までに見えなくしていたもの。 記憶。 それが溢れてきた。 ……… ……俺は、レイプされた…… ずっとずっと、母を亡くしてからしばらくの出来事が碧の中に残っていなかったのは。記憶に蓋をしていたからだ。 蓋が開かなかったのは、壊れていたから。 自分を蹂躙していったデイヴはそのまま逃げて行った。 だけど。あの日の夜の出来事がさらに。 さらに、自分を壊して行った。 碧は記憶の欠片を取り戻していく。 ………… ………… ……あの日の夜中、何かの声で目を覚ました。 碧が寝ていたベッド脇には、デイヴが立っていた。 何故そこにいるのかわからなくて、碧はまだ夢を見ているような気がした。 『なんで?どうやって?入ってきたの?』 碧はやっと声を出すと、デイヴがベランダ側の窓を指差した。窓は開いていて風が入っていた。 『そこから入って来たんだ』 デイヴが碧のそばに顔を近付けて来る。 『来ないで!!』 碧は、起き上がって、ベッドの端に逃げる。 『アオイが嫌がる事はしない』 デイヴは碧の頬を触った。碧は身体が震えてきた。 『…何…するのっ!』 デイヴは、顎に手を掛けて碧にキスをした。 舌が、入り込んで。そして 口腔をまさぐっていく。 ……息ができない ……抵抗できない…… 早く突き放して、大きな声を上げて祖母を呼ばないと。とそれがいいとは思ってはいたが、碧は、怖さが先だって動けなかった。 やっと唇を離してデイヴは言った。 『アオイに会わない事は、出来ない。アオイを誰にも渡したく無いんだ』 『……止めて!!それ以上何かすると……』 碧は、声がやっと出た。 『……だから、ずっと、僕のものにする事にした』 『……なに言って……』 『君のお祖母さんが、僕を訴えて警察に突き出すといっている。だから逃げていたんだよ。だからね』 デイヴの両の掌が碧の首筋を触る。デイヴの掌はすごく冷たかった。 『だから、ずっとずっと僕のものになるといいんだよ』 彼の青い瞳は暗い色をしていた。碧はデイヴのその真っ暗な瞳から目を離せなかった。 デイヴ両手が碧の首をぎゅうと締めつける。 『やめて……苦しい……』 『愛しているよ……だから、ずっと、僕のところにいて……』 デイヴは碧にキスをした。さらに、デイヴの掌に力が入って碧の首が絞まっていく。 ……苦しい。僕は、このまま、死んでしまうの? 碧の目の前は暗くなって行った。 ………… ……… …… …

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