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All the Pieces #1

……… …… … とても静かな場所。そこで碧は目を覚ました。遠くから、何やらざわめく音が聞こえてくる。 (そうか、ここは竜士のところだったか) 碧は思い出した。 竜士はどこにいったのだろう?部屋にはいない。 それに、今は何時? 宮田に囚われて、竜士に助けられてどのぐらいたった? どれが夢でどれが夢じゃない? 碧の頭の中には……混沌とした記憶の断片が散らばっていた。 (―――俺は、竜士に抱かれたんだ) その事実だけは分かっていた。 壊れている自分の心。 その心をそっと包むように竜士は暖かくて安らげた。 誰かが受け止めてくれないと、ばらばらになって止まらなかったから。 記憶の断片は、まだきちんと、形になってない。 過去の閉じた記憶は… 自分には、受け止め切れない。 まだ完全じゃない。 全部思い出した方が、いいのだろうか? ……その時、自分は、自分として、いられるのだろうか?……。 碧には分からなかった。 そんなことを考えながら碧はぼんやりと天井を眺めていると。 ……その目の端に人影が見えた。それは心配そうな表情をしている、竜士だった。 「碧ちゃん」 碧は未だぼんやりとしていた。ああ竜士だと思って呼ぼうとすると、思いのほか囁くようにしか声が出せない。 「あ、竜士……」 起き上がろうとした碧を心配した竜士が、支えようと慌てて身を乗り出した。 「大丈夫??起きられる?」 「大丈夫だから」 碧は一人で起き上がろうと、ベッドの端に手を伸ばした。だが、 「……!」 手に力が入らない。 「碧ちゃん?」 「……起きられない」 小さく呟く碧。 「碧ちゃん、ごめん、無理させた?」 竜士は何かに気づいたような表情をしていた。 「……は?」 呆れたようにしばらく無言で竜士の顔を見詰める碧だったが。 「違う、そうじゃない。傷、また腫れたみたいだ」 「傷って、肩の…怪我?」 碧が、一昨日怪我をしたという肩口。 それも、宮田の仲間というか手下がやったものだ。 碧の肩に貼り付けられた大きな医療用の保護パッドに竜士はそっと手を当てた。 「熱もってる。ごめん・・もう少し、注意してあげていれば・・・」 「いい、俺も忘れてた。傷はもうたいした事ないはずだし。だけど、すごく痛くなってる。傷口が広がったか」 「榊だっけ?あの医者のとこ行くか」 「大丈夫。そのうち治るよ。こうしてじっと寝ていれば大丈夫だと思う」 碧はそっと目を閉じてこのまままた眠りそうになっていると、 「昨夜、碧ちゃんの親父さんが来たよ」 いきなりそんなことを竜士が言い出した。 「何で父さんが?」 「俺が知らせたんだ。約束したからな、お前の親父に」 「約束?」 「そのことは、碧ちゃんが落ち着いたらきちんと話すから」 「竜士。今言って。俺に話してない事が多過ぎる。一体、お前は『誰』?」 碧がずっと疑問に思っていたこと。……竜士は宮田の「仲間」みたいなものと言っていた。 (親父と約束って?何なんだ) 碧は冷ややかな目で竜士をにらみつけた。

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