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All the Pieces #2

「誰って、俺は竜士だよ」 はぐらかすかのように竜士はそう答えて碧にキスをしようとした。 「止めろ、ごまかすな」 碧はそれを手で制して言い返す。 「ごまかしてなんかいないよ。だってやっと、俺のものになった碧ちゃんなんだもの」 「……それ。宮田から、助けてもらったのはすごく感謝してる。だけど、俺は誰のものでもないし、ならないから。俺は自分自身のものだから」 「碧ちゃん、昨夜のはナシにしてってこと?」 悲しそうな顔をしている竜士だったが。 「違う……俺は……」 (止められない、記憶の波。現実が見えなかった。あれは、あの時は……竜士のいる所が今…竜士を感じる事が現実……だったから) それを竜士に言っても分かってくれるだろうかと。碧は思う。 「碧ちゃん。俺に、辛いことだけでいいからあずけて。……昔の記憶が戻って来て辛かったら、全部一人で抱え込まないで」 「昔の事を思い出すのは、辛くない。ただ」 ……怖いだけだ。 碧の薄茶色の瞳が揺れる。 「……俺が『誰』っていうのは。もしかしたなら、碧は気が付いていたかもしれない」 そうして少し間を置いて竜士は続けて言う。 「俺は、宮田の『宮田 竜良(タツヨシ)』の弟なんだよ」 「……?」 なにかしら縁続きだろうと碧は思っていた。仲間のようなものと思わせぶりなことを言われていた。けれども宮田と兄弟だなんて。そんなのわかるわけない。 「名前……苗字、違うじゃないか?竜士は『相沢』じゃ?」 「それね。ちょっとややこしいんだけど。まあ、よくある話かもしれないけどね」 竜士は少し顔を歪めて、 「兄弟は俺を含めて三兄弟。一番上の兄は龍一。下の兄が竜良。俺は一番下……。それで、上の二人とは母親が違っている。所謂、俺は愛人の子ってやつ。俺の父親は流盛会の会長の『宮田 龍介』。そんな人だから愛人を囲うなんて出来るんだ。俺が小学生の時、母親が病死して、連れてこられたのが、この家。俺が母親の姓のままなのは、名前を宮田と名乗らせるのが・・・龍一と竜良の母親が嫌がったから。そんな理由」 そんなことを一気に話した。 「……宮田の弟」 碧は確かめるように繰り返して言葉に出す。 「あいつとは、竜良とは、小学生の時初めて会った。最初会った時から、あいつは俺に、敵意丸出しだった……父親の愛人…母親の『敵』の子だからね。俺は。上の兄とは、そんな事もなかったんだけどね」 だけど、碧には竜士の言葉が耳に入ってこない。 「俺になんで、言わなかった?」 「もし、言ってたら、碧ちゃんは俺の言葉を聞いていた?」 そうだ、今だって竜士の言葉が耳に入ってこない。 .

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