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All the Pieces #4
…
……
………
竜士は、父の龍介が碧と会うことに、なんとなく嫌な気分を覚えていた。
親父は……碧を代わりにして、本当に好きだった人の幻を見たいんだ。
(……だから、嫌なんだ)
……親父が好きだったのは、竜良や龍一の母親でもない、俺の母親でもない。
なんで、愛人を作ったのかというと、満たされてなかったからだ。
でも、それでも、満足しない。
いつも竜士の母親が言っていたのを思い出した。
「お父さんはいつも、違う人を見てるから」
親父は若い頃から愛人はいくらでもいた。
だけど、他の誰かを求めているのは、ずっと変わらない。
その人がもう二度とこの手に触れられない。もう手の届かない所にいたから。
だからずっとずっと求めている。
………
………
二人が龍介のいる部屋へ通されると、ゆったりとしたソファーに龍介が座っていた。
龍介は碧の父親よりも歳は上だったはずだがかなり若々しく見えた。
「碧くんだったね?こうして顔を合わせるのは初めてだね」
竜士の父、龍介の声は優しいバリトンだった。
「はい」
碧は軽く会釈をした。
だけど、龍介はしばらく押し黙ったままで、何も言わずにただ碧を見つめていた。
「親父、呼びつけといて、だんまりとはどういうことだ?」
竜士は少し苛立った様子で声を荒らげた。
「すまん」
(……似ている…1年前、竜良とのトラブルで病院にいる碧を見かけた時も、思っていたが)
龍介は碧と向き合えば向き合うほど、「彼」のことを思い出してしまっていた。
(………彼の優しい顔立ちを今も思い出す。「彼」……「光紀」の。血のつながりのせいか本当に似ている)
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