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All the Pieces #10

………… … …… … … 月明りが綺麗だった。 碧は、夜中、誰かに呼ばれた気がして、目が覚めた。一瞬、自分が何処にいるか分からなくなったが、少しづつ思い出す。 そうだ、ここは竜士のところだった。 色んなことがあってとりあえず、竜士のところにずっといたんだった。家には帰ってない。別に帰りたくないわけでもなかったけれども、だけど、この状態であそこに帰っても、疲れるだけ。今日は週末だし明日は休みだし、別にいいだろう。 碧はそう思った。 体は思うように動かないし頭もぼんやりしていた。 「色々あって疲れているから寝かせて」 碧はそう、竜士に言ってずっと寝ていた。 何度となく目を開けた。その度に、目に映るのは、竜士の心配そうな顔。朝日が差していたのが、それから、日差しが強くなって、気がつけば、夕方になっていた。頭がぼんやりしてたのは、怪我の熱のせいなのかもしれない。いつの間にか夜中になっていた。 碧はそっと起き上がってみると、気分はかなり良くなっていた。あたりを見回しても竜士はいなかった。 月明りが気になって、ふと、廊下にでて、その庭に出てみようと思った。 とても綺麗な満月で、夜中のようだったけれども、廊下のその向こう側にはまだ明かりが付いていた。 碧がぼんやり月を見ていると、 「碧くん?」 声の方へ向くと、そこに竜士の父の龍介がいた。 「竜士のお父さん?」 だけど何やら雰囲気が違って見えた。 「碧くんは本当に、君の伯父さんとよく似ている」 碧に幾度となく言っていた事をまた龍介は再び言った。 「………」 碧は何と返事をしていいか分からなかった 『……龍介……』 どこかで誰かの声が聞こえてきた気がした。 「……!」 竜士の父親が驚いて一瞬立ち止まった。 「今、私の名前を呼んだ声を聞いた。気がしただけかもしれない。きっと、思い出したから耳が勝手に幻を聞いたのだろう。もう、今では名前で私を呼んでくれる人はいなくなってしまったからね」 「でも、俺も聞こえた気がしましたよ?」 「……本当に彼かもしれない。私があんまり君が光紀に似てるって言ったから」 龍介は遠いなにかを見ているような感じでとても優しい表情だった。 「……俺の伯父はずっと龍介さんに思われていて幸せだったと思います」 碧はどう答えたら正しいのかよくわからないまま言った。 「ありがとう碧くん……碧くんは、竜士の事が好きなんだね」 そう言われて碧は少し戸惑ったが目を見開いて答えた。 「はい」

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