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第48話  匠

 上原は可愛い、身体を触ると小さくびくっと反応する。そして、次に赤面する。  こんな状況でも素直に俺の言う事を聞く。  絶対にこいつの気持ちはこっちを向いているという自信はある。ただ本人が自覚しているかと言えば微妙なのだけれど。もう力技で押し切るだけの若さはない。でも、そろそろ限界が近い。  手を伸ばして下着の上から脚の間へと手を伸ばし這わせる。上原は目を閉じてされるがままだ。  「抵抗しないって事は俺の都合よく理解してしまうけどいい?」  少しだけ体が強ばった、けれど押し戻そうともしないし抵抗もしない。  「ここ、前も感じてたよね。」  そう言って脚の付けを軽く押すと、身体がぶるっと震えた。俺の手の中で上原は反応している、下着の上からでも形がわかる。  「え、主任?前もってどういう事しょうか?」  覚えていないのは分かっている、酔って意識のない上原に悪戯したのだから。  自分の鎖骨の上のところを指差して見せる。  「お前、ここに痕をつけてくれたの忘れたの?」  意地悪を言ってみるが、覚えていない上原にしてみればどうしていいかわからないだろう。  知らないはずの上原が、何故かみるみる真っ赤になった。こいつ思い当たる節があるのかと、こっちが不思議になる。  「何?本当は覚えてるの?」  「いいえ!そ、そうではなくて、あの夢で、その」  「夢?俺の夢を見てくれたの?」  上原の目の端が赤くなっている。そこには確かに色を含んでいる。瞳が揺れている、もう崩壊寸前だ。愛おしいと思える存在なのだ。少し開いた口を塞ぐとゆっくりと口内を舌先で撫で上げた。  必死について来ようとする後輩の身体をやわやわと手で触る。下着の中まで手を差し込んで直接触ると、上原の眉根がくっとよる。ああ、もう止められない。  「んっ」  耳から入ってきた上原の小さい声に、自分の身体の中心が硬度を増したのを感じる。  「上原、お前のことを抱きたい」  上原の目は、真ん丸になり驚いているのがよくわかる。  「まあ、今日は無理だけれどね、だから今日は少しだけ触らせてもらうから」    そして羽織っていた自分の服を全部脱ぎ捨てた。

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