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第79話 蓮
身体に感じる違和感に顔が歪む。全てを主任に任せておけば良いとは分かっているが、それでも怖くないかと問われば怖い。ただ、目の前の主任が本当に自分に興奮していると言う事実がなぜか嬉しい、そう、だから大丈夫。
誰も触れた事のない自分の身体の内側をゆっくりと主任の指が擦る。排泄感があるような、嘔吐感が上がってくるような違和感、どうしたらいいのだろう。
一度欲を吐き出したのに身体はまだ火照っていて、呼吸も荒いままだ。余裕がない俺に対して主任は冷静に見える。まだズボンさえ身につけたまま、手を伸ばしても届かない所にいる。
一人だけ置いていかれているようで寂しくなる。主任の指は身体の中で自由に動くようになっていた。くるっと中を回された時、身体がびくりと跳ねた。
「蓮、ここか、気持ち良い?」
初めて名前で呼ばれて身体が反応する。指先で優しく同じところを刺激される。
「つ、うっ、」声が、声が漏れる。止められない。
「蓮、中動いてる」
今名前を呼ぶのは狡いとおもう、耳から入る音に身体が反応してしまう。
「えろい格好だな、メガネに靴下、ほとんどはだけたシャツって。時間かけてあげたいけど、そろそろ俺も限界かな、うつ伏せにするから眼鏡取るよ」
そう言うと主任が俺の身体から離れた。身体になじんでしまった体温が離れてひやりと空気が冷たく感じる。
手際よく俺の身体についていた数少ないアイテムは外され、文字通り生まれたままの姿になった。
主任の顔もぼんやりと霞んでみえてよくわからない。
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