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第122話 匠
今日は上原のスイッチが入りっぱなしのようだ。どこに触れても過剰に反応する。すっと脇の稜線を指で辿ると身体を捩りながら甘い声が出る。
「ん……あ、つ……も、むり。たくみさ……はやく……」
「何を早くなの?蓮、分からないよきちんと言ってくれないと」
涙目でじっと睨んでくる、そんな事されても可愛いだけ。ただ、これ以上焦らすとこっちが持たないかもしれないとは思うけれど。
やわやわとなだらかなカーブの上原の尻を揉む。それだけで身体が大きく反り返る。入り口を指先で軽くなぞると自分から腰を寄せてくる。
「もう、本当にや、おねがいです」
「んー?何が?」
「わかってるくせに意地が、悪い……」
「どうして欲しいの?蓮のやって欲しいようにやるよ」
「匠さんが中に欲しい」
「ここ?」
指をクッと押し込むとビクビクと身体が震えながらまるでそこだけ別の生き物かのように絡まりついてくる。
「足りな、い……」
「まだきついよ、蓮」
名前を呼ぶたびに中が締まる。胸の小さな隆起したところを口に含んで舌で転がすと声にならない悲鳴をあげる。少し開いた口が誘っているから舌を差し込んで上顎を擽る。呼吸のタイミングを失って、離れると酸素を慌てて取り込もうと荒い息をする。
上原も泣きそうだが、自分ももうまずい状況だ。二本に増やした指を内側で指をぐるりと回転させる。
「あっ、や……」
焦らすつもりはないが俺の動きがもどかしいのか、俺の手を自分自身へと引っ張って行く。その手を抑えると、さらに切なそうな目をして見つめてくる。
「指……じゃなくて、たくみさんが……いい」
「まだきついよ、蓮。いいこだから、もう少しだけね」そう言うと上原は下唇を、噛み締めて俯いた。
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