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第123話 蓮
とっくに日付けはクリスマスになってしまった。サンタクロースが入ってきたら卒倒しそうな状況になっている。
「苦しいのは蓮でしよう」
そう言われても、もう既に頭がおかしくなりそう。
「匠さん、もう大丈夫だから……お願いします」
主任がふっと笑った気がした。うつ伏せで腰だけを高く上げさせられて枕に顔を埋める。ああ、木蓮の香りがすると、思った瞬間にぐっと狭い空間を押し入って主任が俺の中に入ってきた。
少し苦しいけれど痛くはない。入り口の微かな痛みをやり過ごすと、大きな充足感に満たされた。
「くるし……」
「大丈夫か?」
「ちが、う。たくみさんが、すきで、好きすぎて過ぎて苦し……いです」
「蓮、そんな可愛い事を言われると優しくできなくなる」
主任が俺の名前を何度も読んでくれる。自分の名前を誰かに呼ばれてこんなに嬉しいと思う日が来るとは思わなかった。嬉しくてきゅっと自分の身体が反応する。
「蓮、力抜いて、いい子だから。俺が持たないよ」
ゆるゆると動くその先が自部では届かない奥に当たる。その時に頭が真っ白になった。膝が、かくかくと揺れて身体を支えることができなくなってしまう。
「ん、あ……つ、た、たくみさ……」
まるで後ろから押し出されるように絶頂を超えた、そしてそのまま身体の中だけが痙攣している。真っ白になった頭の中に靄がかかる、もう何も考えられない。
欲を吐き出しても止まらない長い絶頂の渦にのまれ、自分の身体なのに制御できなくなる。そして次の瞬間、闇にのまれるように意識が消えた。
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