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第129話 蓮
忘年会から解放されたと同時に勢いよく腕を掴まれた。三次会だと騒いでい酔っ払い集団からすっと後ろに引っ張られて、輪から抜けると同時にタクシーに押し込まれた。
「た、匠さん?怒ってます?」
何故か主任の期限が悪い。それくらいすぐにわかる。マンションの住所をドライバーに告げると、後は黙って腕を組んでしまった。
そして部屋に入るなり、いきなり眼鏡を取り上げられた。何も見えない、それは知っているはずなのに。そして寝室に連れて行かれる途中で、少しずつ取り払われた服は靴下を残して何も残っていない。
無言で押し倒されて、何が起こったのか分からない状態で、セックスになだれ込んだ。
「蓮、今日は飲むなって言ったよね?」
「でも課長の隣だったんですよ」
「色気を振りまいてたから許さない」
色気って、それ何?そもそもそういう目で俺を見てるのは主任しかいないと言うのに。
それからどの位時間が経ったのかわからない。もう身体はぐちゃぐちゃ。頭の中も混濁して訳が分からなくなってきている。
あっとい間に手で追いつめられて簡単にイかされたかと思ったらその後が執拗。色気振りまいてた俺が悪いという見解には賛同できないけれど、反論する間もなく組み敷かれている。
アルコールも入って、一度イった身体は怠くて動くのも億劫。
そんなのお構いなしだ。年末の仕事納めの忙しさもあってここのところお預けだったのは認める、でももう限界。ふと眠りそうになると、揺り起こされる。
「もう、何回目ですか……」
「回数なら、まだ三回目だよ」
「たくみさ……しつこい」
明日は午後まで起きられないのはもう確実なようだ。
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