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第185話 蓮
今朝は元気だった。学校へ連れて行き、それから自宅へ送り届けた。母さんは外出中だったけれど、すぐに帰ってきたはず。だから何も問題無いと思っていたのに。
「ザックと話してくるから」
なぜか俺の部屋に寝かされてるし、まあいいけど。
「どうしたの?」
そう聞くと俺のせいだと言う。家にいても一人だからと、近くを歩き回って見つけたハンバーガー屋でやけ食いして、気持ち悪くなり帰って吐いていたところに母さんが戻ってきたようだった。
「蓮のせいだから。俺は6年間、会える日だけを考えて生きてきたのに。6年前に俺のものになってって言った時に、ちゃんとイエスって言ってくれたじゃ無い」
え……お兄ちゃんになってと言うような意味の事を言われたような気はする。けれど僕のものになってって……まさか十二歳の子供にプロポーズされたとは夢にも思っていなかったし。そう伝えると涙をぽろぽろとこぼしながら、泣き出してしまった。
コンコンとドアをノックする音がする。
「蓮!泣かせたの?」
母さん違うから、何で俺が悪者なんだよ。
「寮は断りましょう。家で引き取るわ。この部屋使ってちょうだいってそう伝えて」
「駄目だよ、母さん。それまずいって」
「あなたが決めることじゃありません、それとザックがこの家に慣れるまで、一週間はあなたも家から会社に通ってね」
「え?俺が客間?」
「あら?弟なんでしょう、一緒の部屋でいいじゃないの」
母さんは言い出したら俺と同じ、譲らない。主任が聞いたら卒倒するだろうな。
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