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第213話 蓮
季節は移り暑い季節が、やってきた。外回りがつらいい日が続いている。
この季節が来たという事は、誕生日が近づいたという事だ。「いつなのか?」と聞かれてもいないし、自分から言うのも変だしと悩んでいる。
さりげなく伝える?でも、どうやって?
先週、福田がにこにことしながら近寄ってきて携帯に保存してある写真を見せてくれた。
「俺の誕生日を横山と一緒に恋人として祝えたんです」
二人で頬を寄せてケーキと一緒に自撮りしてた、幸せそうだ。この写真の後ケーキを無理やり食べさせられたて困りましたよと嬉しそうに話してくれた。
かなり充実した付き合いをしている二人。きっと大騒ぎすると思っていたのに、横山は予想に反して、一切福田との仲を公表しようとしない。だから、福田はそっと俺にだけ話してくれる。
いつの間にか横山の「俺は主任がタイプ」という話は単なるネタだったと片付けられたようだ。
「そうよね、田上主任が男性と付き合う訳ないよね。ねえ、上原君もそう思うでしょ。私は最初から信じてなかったけど」
そういっていますが、山中さん、騒いでいたのはあなたです。そして、俺はこの話題には触れたくない、だから回避するのが一番。
「ねえ、ところでさっきから何見てるの?」
「ああ、これ?星座占い。恋愛運の良い時に合コン行かなきゃだめでしょう?ところで、上原君は何座?」
「俺、蟹座なんだよね。七月四日生まれ、アメリカの独立記念日と同じ日なんだよね」
「あら、7月なの……?恋愛運これから下がっていくみたいよ、気を付けてね」
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