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第251話 蓮
何も考えられなくなる。揺らされているのか、自分が揺れているのかそれされ解らない。
いつの間にか俺の脚は主任の肩にかけられているて、その間に主任が見える。
目が合うと、お腹の底がぎゅっとなるうな感覚が起きる。そのたびに主任がちょっと困ったような顔をする。その顔に更に反応してしまう。
「蓮、力抜いて。持ちそうにない。優しくできなくなるよ」
主任の声にまた踊らされて、身体が反り返り震える。
「本当にお前は……」
主任の息が上がってきた。力を抜けって言われても、もう無理。身体が痙攣をおこしてひくひくと動くしもう頭の中は痺れている。
「んんっんっ……あ…もう、むり……」
最後は、自分自身の声に引っ張られて、主任と自分の身体の間で熱が弾けた。そのすぐ後に身体の奥へ暖かさが広がっていった。幸せだ。
まだ軽く痙攣している身体を主任の手が辿る。身体中が、敏感になっていてどこを触られても気持ちよくて体が反応してしまう。
「蓮、触らないでもイけるようになったね」
「余計な事、言わないで良いですから黙っててください」
体の熱が落ち着いてきたら、冷静になって途端に恥ずかしくなる。
「行こう。掻き出さなきゃだな、ごめん」
ああ、そうだった。なぜか今日は主任を無理やり誘い込んでしまった気がする。
「今日、迎えに来てくれた匠さんがあまりにもかっこよくて」
そう素直に言うと、ため息をつかれた。
「蓮、明日仕事だからこれ以上煽らないでくれるか。お前、動けなくなりたくないだろう」
そう言って頭を撫でられる。ああ、気持ち良い。動きたくない、もうこのまま眠りたい。目をゆっくりと閉じると、やれやれと言う声が聞こえて、身体をシーツに包んで抱き上げられた。
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