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第333話 匠
久々に感じる上原の熱に引っ張られ、持ちそうにない。吸い付くように纏わりつく上原の中で果てそうだ。止めどなく漏れてくる上原の声も後押ししてくる。
「蓮、もうもたない」
そう告げると、首に手を回してきて身体を引き寄せられた。
「匠さん、たくみさ……んの重さを、感じたいです」
掠れるような声でそう言われると、もうどうやっても波をやり過ごすのは無理だった。感じているのは俺だけじゃない。泣きそうな目で追ってくる上原も同じだ。
「キスしてください」
その一言で、俺は上原の中で弾けた。「あ」と小さい声が聞こえた。一旦、身体を離して処理する。そして上原をしっかりと抱きしめた。
「蓮、あまり煽らないでくれよ」
上原は不思議そうな目で追ってくる。自覚がないのは前からだが、身体の反応は俺の予想以上だ。しっかりと感じている事を上原は気づいているのだろうか。
呼吸を整えると、身体中を弄るように口付ける。首に胸にそして身体の中心にも。半勃ちになったそれを咥える。舌先で裏側を辿りながら奥へと導く。
「匠さん⁉︎」
上原は驚いたような声を出す、一旦解放してやると腰を抱え上げた。
「連、第2ラウンドな」
膝の裏に吸い付くようなキスをすると上原の身体がびくんと跳ねた。
「嘘でしょう……」
上原の驚いた小さい声が聞こえた。
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