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嫉妬1 《早苗》

柳くんが朝練中の朝のこの時間がやっぱり少し苦手。 勉強したり本を読んだり、する事はあるんだけどなんだか心細い。 柳くん、早くこないかなぁ、なんて。 「おはよー、かっしー」 「あ、おはよう、桜井くん」 「なーんか寂しそうな顔してたね?」 「え! そ、そうかなぁ?」 心細いことを言い当てられて、どきっとしてしまう。 ふらっとしてるようで、なにげに人のこと見てるんだよな、桜井くん。 「そういや柳、いっつもぎりぎりに来るよなぁ」 「うん。部活で朝練してるから」 「あー、そっかそっか。何部だっけ?」 「柔道だよ。とっても上手なんだ」 「柔道……ねぇ、そりゃ秋良が気に入る訳だ」 桜井くんがくすくす笑った。 首を傾げると、桜井くんは小さな声でそっと言った。 「秋良さ、実は柔道好きなんだよ。見るの専門で」 「え、秋良ちゃんが? ちょっと意外かも」 「ねー? かっしーは好きなの?」 「んーと、柳くんが柔道してるのを見てるのは好きかな」 そう言うと桜井くんはまたくすくすと笑った。 また首を傾げると、桜井くんは小さな声で言う。 「それって、柳が好き……ってことだったり」 顔が熱くなるのがわかった。 「わお、かっしー真っ赤」 「ちがくて……その、本当に柳くんかっこいいんだよ?」 「そっかぁ。かっこいい、のか?」 桜井くんがにやにやと笑ってて、さらに頬が熱くなった。 どうしよう、桜井くんにばれちゃった?

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