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一番 1 《早苗》
昼休み。
午前の授業が終わり机をくっつけるとふと柳くんが呟いた。
「そうだ、飯買わねぇと」
「今日はお弁当じゃないの?」
「あぁ、お袋も俺も寝坊しちまって」
「柳くんも寝坊するんだね」
「そりゃあな。ためてた提出物を片づけてたら夜中になってさ」
「そろそろテストだしねー」
テストというワードをだすと柳くんは露骨に嫌そうな顔をした。
「テストかぁ」
ため息をつきつつ柳くんは鞄からお財布を取り出す。
「おめぇもいくか?」
「うんっ、ついてく」
柳くんの後に続いて教室を出て購買に向かう。
テストはやっぱり嫌だけど、ちょっとだけ楽しみでもある。
「なぁ、また勉強見てくんねぇか」
「いいよー。テスト前に勉強会しようね?」
「おう、頼むわ」
柳くんと勉強会。
それがちょっとだけ楽しみなんだよね。
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