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テスト6 《剣介》
勉強もしっかりできないまま、いつもより早めの時間に早苗を送っていく。
冬空は重苦しい雲もなく、青い空がみえていて、ほんの少し気持ちを落ちつかせてくれた。
「空、見えてるね」
「あぁ」
同じとこを見てたとわかるだけで、こんなに嬉しいのはなぜなんだろう。
同じ気持ちだったら、どんなに嬉しいのだろうか。
「あのね、さっき言い掛けたことだけど」
うっすらと積もった雪を踏みしめながら、少し前を歩く早苗がそう声に出した。
「テスト終わったらちゃんと話すから。だから、今は勉強しないと、でしょ?」
振り返った早苗はにこりと微笑む。
お互い、今の微妙な空気は堪えられないらしい。
「そうだな。明日は、やんねぇとな」
「赤点とったら、柔道出来なくなっちゃうしねー」
「早苗が教えてくれてるから、心配ねぇだろ」
「いっつも英語はぎりぎりだけどねぇ?」
「ぎりぎりでも赤点じゃねぇから……明日は、英語な」
早苗の言おうとしてることが、期待通りなのか期待外れの事なのかまだわからないけど。
今はただこのまま……。
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