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テスト終わりに9 《江》

久し振りに松谷さんと遊べると思うと胸が高鳴った。 「ゲーセンいこ。松谷さん好きそうなぬいぐるみあったんだよね」 「うん、いこう」 松谷さんは笑ってて、俺もついつい顔が緩んだ。 「そういや江、UFOキャッチャー得意だったよね」 「得意ってわけでもないけどさ」 秋良もなんだか微笑んでいてた。 「ただいまー」 声がして、やっとりゅうと涼香さんが戻ってきた。 見たところ変わったところはなかったが、微妙な気分になる。 まぁ、してないよな。流石に。 「おっそいよー龍太郎」 「ごめんごめん、涼香ちゃんが可愛くて」 「おい」 秋良にいつもの調子でりゅうは話して、その脇腹を小突く涼香さんの顔が赤くなる。 何もなかった訳でもなさそうだけど……。 「じゃあ、俺たち帰るから」 松谷さんと席を立ってリュックを背負う。 「ん、また今度どっか出掛けようねー。松谷さんも一緒に」 「あぁ。じゃあ、また」 りゅうと秋良と涼香さんに手を振って、一足先に二人で店を出た。

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