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喧嘩3 《龍太郎》

涼香ちゃんが行ってしまって、心細い。 あと、少しばかり心配だった。 過保護だとは思う。 思うけど、そう思ってしまうくらいに涼香ちゃんは可愛い。 万人揃ってきれいと言いそうな程に整った顔立ちをしている。 足が長くて細身でスタイルがいい。 高嶺の花、なんて学校の女子に呼ばれているし。 近づきがたい雰囲気が逆に魅力的なわけで……。 街の中を一緒に歩いている最中、彼を見ている視線を感じることもある。 中にはいかがわし気な視線もあった。 だから、一人にしておくのは心配になってしまう。 目を離すのは不安で仕方ない。 また過保護だって怒られるかもしれないけど。 それでも彼の後を追うことにした。 歩きながらあたりを見回し涼香ちゃんの姿を探す。 そんなに時間はたってないし近くにいるだろう。 「あの人大丈夫かな? 嫌がってたよね」 「ね、力尽くで引っ張られてる感じだった……」 不安を掻き立てる言葉が耳に入ってきた。 ひそひそと話している女の子達。 その視線を追うと男に両腕を掴まれている涼香ちゃんの後ろ姿が見えた。 間違いない。 今朝俺が選んだ服を着ているし、見間違えない彼の事は。 考えるより先に、涼香ちゃんのもとへ走り出していた。

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