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喧嘩7 《龍太郎》

その夜も次の日も数時間おきにメールをしてしまった。 しつこいとは思うけど、このまま話せないのは嫌だったから。 「で、返事来なくてそんな顔してるわけか」 「そうなの。どうしたらいいかな、ヒロちゃん」 バイト先のカラオケ屋の店長で叔父さんにあたる寛美(ひろみ)。 昔から仲良くしてもらってる兄貴的存在だ。 彼もゲイだから涼香ちゃんのこともよく相談にのってもらっている。 「待つことだな。そのうち話してくれるさ」 「なんか投げやりじゃない?」 「そんなこと無いって。涼香ちゃんは話すの苦手なタイプだろ? 急かさず言葉見つけるまで、まとまるまで待ってやんなよ」 「その間に何かあったらと思うと不安なの。それに、このまま話してくれなくなったらさ……どうしよう」 「信用しろよ、その程度の関係じゃないだろ?」 わしゃわしゃと頭を撫でられて、バイト中なのにまた泣きそうになった。 信用してないわけじゃない。 でも、そうだよな。 ずっとそばにいるなんて、守るためといっても信用してないみたいだ。 「……話してくれるまで待ってみる」 「おう。最悪一発ヤるとかな?」 にやりと笑うヒロちゃん。 腕を叩くと悪い悪いとあっけらかんと笑う。 涼香ちゃんに話してくれるの待ってるよとメールして、返事を待つ。 結局週末のうちには何も連絡は無かった。

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