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プールと未遂4 《龍太郎》
「龍太郎はそうだったなぁ。で、つばちゃん、いつ掃除すんの?」
薫はにやりと笑って、話題を移す。
「そんな急がなくてもいいが、今日できんならやってくれ」
「おっけー! じゃあ早速やろう!」
「僕たちも手伝うよ、ね? 涼香」
「まぁ、いいけど……」
吉良と涼香ちゃんも手伝ってくれるようだ。
涼香ちゃんも。
そう思うだけで顔がにやける。
「私も!」
「おい、榎本は部活あんだろうが。吹奏楽部は顧問厳しいだろ?」
「うー、つばちゃん見逃して!」
「先生が見逃したとこでバレるし、ちゃんと部活行きなさーい」
渋々といった感じに秋良は膨れっ面で頷く。
「んじゃ、鍵渡すから職員室に着いてきてくれ」
「俺行くー! 吉良も行こ」
薫と吉良はつばちゃんに着いていき、秋良は教室に戻っていく。
涼香ちゃんと二人残されてしまった。
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