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プールと未遂9 《龍太郎》

露わになった肌は白くて、肉付きの薄い身体は想像していたよりも細い。 若干肋骨の浮き出た脇腹や、それでいて筋肉質でない柔らかそうな腹部、こちらに身体を向けるから少しばかりくびれのあるのもわかった。 「おい、ジロジロみるなって……。着替えづらい」 「や、だって、涼香ちゃんがいきなり脱ぎだすから……」 「は? 男同士だし……って、お前もしかして、男の体でもその……あれ、なのか?」 「……うん」 頷くと、涼香ちゃんは困ったみたいに眉間に皺を寄せた。 「……」 「……」 「いや、ないだろ、それは」 「あるよ! てか、涼香ちゃんきれいだからいろいろヤバいんだけど」 理解できないって顔をするから、少し悔しくなった。 同性の裸なんてなんとも思わないのが普通だろうけど、俺は違う。 好きな子の裸をこんな目の前で見たら、そういう気のひとつやふたつ起こってしまう。 触れたい、抱きたいって……。 頭に血がのぼって、勢いに任せて立ち上がると涼香ちゃんに迫っていた。 「ま、まてよ……おいっ、ちょっと」 言いながら後退りする涼香ちゃんを壁際まで追い詰める。 至近距離で見てもなんてきれいなんだろう。 邪な気持ちでいっぱいの俺の胸に手をついて、涼香ちゃんは、なんだよと睨んでくる。 拒絶して嫌がる訳でもなく、ただ困ってるだけに見えた。 「涼香ちゃんがいけないんだよ。俺がこんななの知ってんのに、油断してるから……」 「だ、だって、普通に女も好きだって言ってたし。さっきだって、薫とそういう話、してただろ……」 「女の子もってことは、男もってことなんだよ?」 無防備な彼の背中に手を回すと、びくっと身体を震わせ、涼香ちゃんは俺のシャツを握りしめた。

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