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告白1《涼香》
嫌なんかじゃないって気付いてしまった。
一度目は自分から望んだ。
認めたくないけど、ただ確かめたくて。
柔らかくて温かい感触がじんわりと唇に残る。
触れ合うだけのそれが、胸にぽっかりと空いた穴を溶かしてぐちゃぐちゃにしてしまう。
満たされて、溢れ出しそうな感情に、まだ名前をつけるのが怖い――。
文化祭の振替休日も終わった水曜日。
1学期最後の登校日だと浮かれるのも束の間、学校に着きすぐに、噂の的になっているのがわかった。
教室に向かうまでの間、すれ違う生徒が皆、俺を見てこそこそと話していた。
居心地が悪く、急いで教室に向かった。
「おはよう涼香。すごいことになってるよ」
1組の教室に入るとすぐ、吉良は彼にしては珍しく心配そうに眉を潜めて声をかけてきた。
「おはよ……何なんだ一体」
「どうもこうも文化祭のライブでのことだよ。ただでさえ涼香目立ってたのに……龍太郎さんに連れ去られたでしょ?」
なんとなく予想は付いていたが、まさか本当にそのことだとは思わなかった。
「ラブソング熱唱、からのステージから降りてメイドさん連れ去り……。しかも相手はあの高嶺の花の林宮涼香でしょ。噂にならないわけないよね」
吉良の言うことに間違いはない上に、実際は噂以上のことまでしていた。
学校だってわかっていたのに、あいつと……。
流されていたといえばそうだけれど。
どうにもあいつに求められると嫌な気もしなくて……って、違う、そんなんじゃない。
「まぁ、幸いにも明日から夏休みだもんね? きっと噂もすぐ消える……って、そうだ」
「なんだよ」
「夏期講習でしばらく、学校あるね?」
吉良の一言に現実を突きつけられた。
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