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告白5《涼香》

次の日。 龍太郎は学校に来なかった。 『熱下がらなくて、今日は休む』 どうやら夏風邪をこじらせたようだった。 多忙で休めていないようだったから無理もない。 別になんとも思わないと思っていた。 「ちらちら時計見ちゃって」 その次の日の朝。 吉良は呆れたように笑って俺を見た。 「龍太郎さん、今日も休みみたいだね」 「そうだな」 「寂しいね?」 「……別に」 連絡も無いから相当酷いのかと心配になるくらいで、寂しいなんて、寂しいなんて……思っていない。 「涼香って、案外わかりやすいよね」 吉良はまた笑ってそんなことを言ってきた。 「顔にも態度にもすぐ出るね」 「っ、うるさい。出てない!」 ただ、いつもしつこいくらいに付きまとってくるあいつが、いないことに違和感を覚えるだけだ。 決して寂しいとかそういうわけではない、……と思う。 「そんなに寂しいならさ、お見舞いにでも行ったら?」 吉良のその一言が、やけに耳に残った。 確かに家は知っている。 会いに来てくれないなら会いに行けばいい。 けど、会いたいなんて……そんなこと。 退屈な講習が始まって、ぼーっとしたまま終わっていった。 「俺たち飯食いに行くけど、涼香っちも行く?」 帰り際、薫達に声を掛けられた。 少し悩んで断って、彼らの背中を見送った。

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