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第11話※
唇と指の先で転がせば、全身をひくひくと跳ね上げる。晴也の胸の高鳴りを秀一までダイレクトに伝えてくれた。どうやら晴也は、乳首が弱い。
右だけ大きくなるのは可哀そうなので、左の胸も愛撫する。大きな手のひらで圧し潰しては、ぐりりとこね回した。指先できゅぅと先っぽを搾り出して、優しく撫でる。
なだらかな胸の下も、臍の横も、細い脇腹も。秀一の手のひらは、しととに濡れる晴也の汗で吸いつくように移動した。
もじ、とくすぐったそうに、恥ずかしそうに。身をくねらせる晴也の全身を、余すところなく撫でさする。堪能したら、可愛らしい中心で、健気に存在を主張する蜜茎に触れた。
「ンぁっ!」
「かわいい、晴也さん。とろとろになってる。俺に、こうされるの、好き?」
「……んっす、す、き…っ…、い、きも、ちぃ……ぁっ」
「ん。じゃあ、もっと気持ちよくなろう。俺と一緒に。晴也さんのを、俺が……下から上に揉んで、撫でて、おしっこするところをなぞってあげたら……、どんどん、密がでてくる」
「んっ、んッんぅ、うっ! はっ、は、放し……っ」
秀一の愛撫にあわせ、晴也が白い腰を浮き上がらせる。晴也の密茎はすっかり立ち上がり、今にも吐き出しそうになっていた。けれどまだ、絶頂はさせない。もう少し可愛がりたい。
解放させてと主張する晴也の根元から先端までを、五本の指でばらばらに刺激する。晴也の大きさは、秀一の手のひらにすっぽり収まる。柔らかく握り締め、愛液を搾り出すように揉み上げた。
「んぁアっ!」
ひくんと晴也の腰が浮き、とうとう秀一の手に吐精する。小刻みに震えて放心した晴也を、熱い息をついて見下ろした。べとべとになった手のひらを見つめ、絡みついた白い粘液をぺろ…と舐める。
涙の膜で、とろんと潤む晴也の視線が赤い舌の動きを追った。一気に晴也の鎖骨まで真っ赤に染まる。ごくっと、秀一の喉が鳴った。
晴也にかぶりつきたい。赤い血肉に首筋に、本能のままむしゃぶりついて、晴也を秀一の一部にしてやりたい。
上位に立つα性の、とてつもない欲望が秀一のなかで吹き上がる。暴れ出しそうなフェロモンを、晴也の体液とともに生唾をのんで沈めこんだ。晴也を……大切にしたいんだ、壊したいわけじゃない。
刺激が強かったのか。細い裸体はいまだ快楽の波に揺れるようだ。ひぐひぐ喘ぎ、薄い胸を上下させる晴也へ優しく伸しかかった。
白液でべっとり濡れた手のひらを、震える中心にもう一度添わす。先っぽからとろとろ溢れる晴也の蜜を、数本の指の腹にすくった。
Ωのフェロモンはしない、体臭の薄い甘い蜜だ。長い指先にしっとりと絡め、双丘の間を這いながら移動する。柔い肉尻の奥に隠れる、つつましい蕾に触れた。
「あッ!」
「緊張しないで、ゆっくりするから。晴也さんのでたっぷりほぐせる。この前も、痛くなかったでしょ? ね、お願い。晴也さんの中を……、俺で満たして」
「あ、あ……あ、う……っ」
耳元で呟けば、晴也の全身は真っ赤っかっだ。くねくねと身を揺らし、ときおりぶるりと身を震わせて、秀一の愛撫を懸命に受け入れる。
可愛い、と真上から囁く。晴也の顔のそばに片手をつき、突き出た晴也の顎先をちゅうとついばんだ。
下では、晴也の片足を大きく開かせる。大胆に開脚させた足の間で、秀一の長い指先が晴也の奥を弄った。
秀一の愛撫に蕩け、したたる晴也の蜜を拾い上げては、可愛らしく閉じる蕾のなかに流しこむ。
晴也のなかは狭すぎて、一回目は挿入するには至らなかった。かわりに念入りに、肉の輪をなだめるように撫でてほぐした。晴也は少しずつ秀一に慣れ、受け入れる準備をしてくれた。
二回目で実際に繋がったら晴也の身体はとても熱くて。Ωのように濡れなくても、きつくても、それでも大きな秀一にあわせて拡がってくれたのだ。
ぴくんと動く晴也の体動が、腹の奥深くまで振動する。細やかな振動を、奥まで入った長い指先が感じとった。
このなかに埋まる、秀一の男根に絡みつく肉の襞がとろとろに蠢いていく。秀一の形、大きさ、張り、角度。全部を受け止め、覚えようとしてくれるみたいだった。
早く晴也のなかに入りたい。昂る気を抑えつけ、秀一は、晴也の窄まりを慎重に広げていく。一本二本と、長い指先を使い、晴也の体液を流しこんでは奥まで濡らして愛撫した。
揺れ動く尻の間から聞こえる音が、次第に淫らに大きくなる。秀一は、晴也の柔らかい肉壁を、三本の指の腹で優しく撫でて、ぐゆんと引き抜いた。
「あぁっ!」
「挿れるよ、晴也さん。足を広げて」
「んぁっ……、あっあっあッ、んぅっ――ぁあアっ!」
挿入の瞬間、晴也が両腕をいっぱい伸ばして秀一にしがみつく。秀一はなだめるようにキスをして、晴也の中心を突き立てた。
***
二号店、三号店とあちこちに店を構えるオーナーは忙しい。普段は各店長に喫茶店を任せっきりで、ほとんど店には顔を出さない。
秀一が務める喫茶店の店長は人使いにルーズで、基本は自由出勤制だ。おかげで秀一も朝にバイトを集めたり、隙間時間に連日バイトしたりしている。
もちろん、あまりにも人手が多ければ退勤を命じられる場合もあるが。にしても、オーナー自ら顔を出し、秀一に出勤停止を命じるのは初めてだった。
「は? 明日からバイトに出てくるなってことですか? まさかクビに? 俺、なんかやらかしましたか」
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