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第7話
あれから俺は鹿嶋さんにお姫様抱っこされて浴室へ向かい、グリセリン浣腸といふものを二回行った。
全裸にされた俺は浴室の鏡に手をついて腸内洗浄をした。
「あまりご飯食べてなかった?」
言われてみれば今日は怠けて朝も昼も食べていなかった。それがまさか功をそうするとは誰が思うたか。
腸内洗浄を終えた俺は鹿嶋さんに綺麗にタオルで拭き取られ。帰りもお姫様抱っこでリビングへ。
浴室からリビングに向かうまでの間、鹿嶋さんは上機嫌に鼻歌を唄っていた。
なんだか満足げにも見える。もしかして鹿嶋さんもやりたかったのかな?
「それにしてもさ、千明くんやる気満々だったんだね。浣腸グッズまで調べてるなんてさすがだよ」
リビングのベッドにフワッと寝かされる俺。
違う、俺じゃない……とも言えず。
俺に使われるモノという意味では結局同じだから、なんだかゴニョゴニョしてしまって。
そんな俺を。なんでか聖母のような眼差しで見つめてくる鹿嶋さんは、そのまま俺を包むようにベッドに乗り上げてきて、俺をぎゅっと抱きしめて撫でてくれた。
それがちょっと嬉しくて。
「千明くん……」
鹿嶋さんに優しくされると、なんか嬉しい。
「鹿嶋、さ…ぁ……ぅん」
舌を絡め取られて。
ねっとりとしたキス。
うぅ。
「んふ…ぅ…ぁん……」
キモチイイ。
気持ちよさが伝染して。
さっき洗ったばかりのお尻のナカが少し疼く。
「んぅ……んふ…うふふ。お尻揺れてるね。キスで感じてるの可愛いよ」
バレてる。
でもそれが、なんか心地良い自分がいて。
「鹿嶋、さん……ぁの」
「なんだい?千明くん」
もっと。
「あの……」
もっと。
「お尻、ずっと疼いてて、その。さっきみたいに、指で、あの、その……」
「──なに……?」
小声で呟きながら、お尻をすすすと撫でられる。
「ぁ…っ」
耳元で息を吹きかけられて。
「んゃぁ…っ」
「──弄ってほしいの?」
イケボが脳髄を駆け巡る。
俺。
ほんとに。
この人にならどうにでもして欲しいのかもしれない。
鹿嶋さんの目を見て、訴える。
「そんな可愛い顔しないでよ。すぐにでも襲いたくなるでしょ?」
大きく、コクリと鹿嶋さんの目を見ながら頷いてみせる。
「もう…ほんとに。どうなっても知らないよ?」
その言葉が俺に重くのしかかる。
けど。
それがまたゾクゾクして。
その言葉だけで────
「千明くん、もしかして。言葉だけで勃ってるの?」
「ぁ……っ」
鹿嶋さんの低音ボイスは腰にダイレクトに響いてくる。
そして。
下半身にも。
ジンジンと。
ゾクゾクと。
反応してしまってて。
「脚、開いて?」
「ん……」
おずおずと開脚をする俺。
何故だろう。
命令されることがまた、キモチイイ。
「可愛いね千明くん。俺まだおちんちん触ってないよ?」
「うぅ……」
「きもちぃの?」
ヤバい、これだけで腰が揺れる。
「気持ちいい……です……」
「腰が揺れてる千明くん、最高にえっちだね」
俺が腰を揺らすたびにベッドのシーツが擦れる音がリビングに密かに響き渡って。
それがまた、羞恥心を掻き立てて。
余計に腰が揺れる。
「ふふ、おちんちんおっきくなってきたね。勃ち上がってきてるよ?」
「んやぁ…見ないでぇ…っ」
ウソ。
ずっと見ていてほしい。
その視線が。
その声色が。
俺の快楽になるから。
「ふあぁ……っ、ぁ、か、しま、さ…ぁ…っ」
見て。
見てて。
俺を見て。
乱れる俺を見てて。
「あ…っん!」
鹿嶋さんの切れ長の視線が突き刺さるのがキモチイイ。
ゾクゾクする。
ゾクゾクする。
ゾクゾクして。
頭がおかしくなる。
頭が沸騰してフワフワする。
やだ。
なんで。
鹿嶋さんに触られてないのに。
なんでこんなにキモチイイの?
「千明くん、今の千明くんすっごくえっちだよ?俺の目を見て腰が揺れておちんちんフル突起させてる姿。最高に可愛くてえっちだよ……」
鼻息の荒い鹿嶋さんがイケボで囁いてくる。
キモチイイ。
キモチイイ。
気持ちよすぎて息が荒くなる。
「顔真っ赤だね。可愛いよ……」
鹿嶋さんがえっちな俺を見てくれてる。
それだけで。
それだけなのに。
全身が性感帯になったみたいにビリビリゾクゾクして、気持ちの昂りがおさまらない。
「鹿嶋さ……俺、おかしいよぉ…おかしいの、気持ちいのおかしいよぉ……っ」
腰止まんない。
俺。
俺。
「ふあ、あっ、あっ、あぁぁ……やだ俺、こんなの…変、変なのにぃ……っ」
「千明くん……っ」
全身がおかしい。
おかしいくらいにキモチイイ。
気持ちよくて。
「はあぁ……なんで、なん、でぇ……っ」
気持ちよくて。
止まんなくて。
ダメだ。
俺。
俺……。
「俺、イク、イッちゃう、イッちゃう、俺なんもされてないのに、イッちゃうよおぉぉ……!!」
ゾクゾク。
ビリビリ。
ゾワゾワ。
ふわふわする。
頭が痺れていく───ー
「ふぁ、やら、やなのに、俺、イッちゃぅ…イク、イクイク、イッちゃうイクイクイッちゃうイクううぅゥゥゥゥ〜〜〜〜……ッッ!!!!」
ビックンビクビクン!!と身体が弓なりにしないだ。
「あ……あぁ……ぅ……」
痙攣がおさまんない。
でも。
それすらも気持ちよくて。
頭がふわふわして。
目がチカチカして。
ピリピリして。
快感が、抜けない。
「派手にイッたね。最高にえっちだったよ千明くん…」
「鹿嶋さん……あっ……」
唇を重ねてくれる。
「ん…ふぅ…ぁ……──んぅ…ふ」
キモチイイ。
あ、だめ。
ダメェ……。
「ん!んぅ!……ふううんうゥゥんゥゥゥゥぅ〜〜〜〜……ッッ!!」
また俺。
今度はキスだけで。
──イケちゃったぁ……。
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