「二人がしてるの知ってたよ」 　慧菜の声が冷たく響く。 　彼をみると目を潤ませていていたたまれなくなる。 「慧菜……」 　手を伸ばすと、慧菜が縋り付くように手を握った。 「ぼくのほうが好きだよ、ふうくんのこと」 　その手にちゅっちゅとキスを落とされる。 　それに気を取られていると、央華が耳に舌を這わせびくんと身体が震えた。 「楓季」 　耳元で低い声で名前を呼ばれ、こんな状況なのに条件反射で身体が火照ってしまう。 　そのまま耳を舐められ濡れた音と舌の感触に戸惑い、びくつく身体を抑えようと力を込めた。 　視界に慧菜が映り、気まずくて目を伏せる。 「ふうくん」 　腕を引かれ慧菜に引き寄せられる。慧菜の膝の上に身体を預け、思いっきり慧菜を見上げる形になる。 　その彼の表情に目を奪われた。 　目を潤ませ悔しそうにしながらも、どこか興奮したようで、ぞくりと背筋が震えた。 「そんな顔して央華にいつも抱かれてるの？」 　なにか声をかけようとするも慧菜の手が俺の服をたくし上げて、驚いて言葉を飲み込んだ。 　慧菜の手が胸の先を掠め、びくりと身体が跳ねる。止めようと手を伸ばすとその手を制され、抑え込まれる。 「あ、まって……！」 　それを見ていた央華が覆いかぶさるようにして俺の胸に舌を這わせた。 　央華も情欲を隠さない視線を俺に向けていた。 　脇腹を撫でられ、乳首を舌先で細かく舐められると嫌でも声が漏れてしまう。 「や、はぁ……おねがい、待って、こんな……んぅっ！」 　どうにか止めようとするが、央華はぷくりと形を示すそこを甘噛して吸い付く。 　甘い刺激に背中を反らせる。 「ん、んんぅっ！」 　仰け反った俺の唇を慧菜が塞ぐ。舌が絡められ、何も考えられなくなる。 　優しい慧菜の舌使いに恍惚としながら、央華が興奮を高めるように乳首を指先でぐにぐにと弄り、片やねっとりと舌で弄ぶ。 　止めなきゃと考える余裕が無いくらい興奮していた。空気に飲まれてしまっていた。 　身体から力が抜けてされるがままにしていると、央華がちゅっちゅと胸から下にキスを落としていく。そして、そのまま俺のズボンに手を掛けて足から引き抜いた。 　抵抗するよりも前に、半分勃ち掛けたそこを央華が咥えこんでしまう。生暖かい感触に身体が大きく揺れた。 「んっ……ふ、んぅぅ！」 　弱いとこを知り尽くしている央華に攻められ、すぐさまがちがちに勃ってしまった。 　慧菜の甘く優しいキスにも骨抜きにされて、ただ燻る熱に身を任せた。 「ふぁ……はぁ、ん、あぁっ！」 　唇が離れ混ざりあった唾液を飲み込み、息を整える。 　慧菜が掴んでいた俺の手を離し、その手を俺の胸に這わせる。赤く腫れぼったく主張している乳首を両手で弾くようにされると、気持ちよくて思わず慧菜に縋り付いた。 「あっ、あぁ……っ！　だ、だめ……んぅっ」 　口先だけの拒絶をしながら、央華と慧菜に与えられる悦楽に浸っていた。 　俺の身体を熟知している二人に攻められると、あっという間に絶頂を迎えてしまい、央華の口の中に熱を吐き出した。 「んぁ……あ、んあぁ……っ」 　尿道に残る精液さえ吸い上げられ、あまりの高揚感に気が狂いそうだった。 　そこから口を離した央華の艶やかな顔が視界に映り、その情欲を隠さない瞳に見据えられる。口に出してしまった白濁液を飲み込むのが見え、ぞくぞくと背徳感でいっぱいになった。 「んふ、だらしないイき顔」 　声がして見上げると慧菜がうっとりと微笑んでいて慌てて顔を隠した。 　一人ひとり相手にしてるときでさえいっぱいいっぱいなのに、一気に二人を相手にするのは体も心も持ちそうもない。 　羞恥と混乱で困惑していると、足をぐいと持ち上げられた。 「やっ、おうか……まっ！」 　ぬるっとした液体が後ろの穴にかかり、遠慮なく指を押し込まれる。 　リビングだからと油断していたが、最近の央華はローションやゴムを携帯していていたのを思い出す。学校や外で求められることも時々あった。 「あっ、んゃっ！」 　余裕なさげに指を増やされ変な声が漏れてしまう。しかしそれでも、痛みよりも快感が勝る身体にうんざりした。 「ね、ふうくん触って」 　央華を止めようと伸ばした手を慧菜にとられる。そのまま固くなった慧菜にあてがわれた。服の上から撫でるように手を動かされ、先走りで湿った感覚にどきっとした。 　３人ともきっとこんなこと初めてで、言い知れない興奮に包まれていた。 「あっ、ん……んんぅっ」 　央華の指がぱたぱたと中で蠢き、気持ちよくて、かぶりを振って声を抑え込んで耐えた。 　慧菜はズボンをずらし、直に俺に握らせた。 「ふうくん、かわいい……ふうくん、もっとして」 　甘える様な声を出す慧菜の切なそうな表情につい言われるがままに手を動かしていた。 「んふ、えらいね。上手だよ」 　二人きりでしているときと同じ調子で囁かれ身体が熱くなった。 　それに触発されるように、央華の指が弱いところを擦り上げ、身体がガクガクと震える。 「央華の指、気持ちいいんだ？」 　慧菜が優しい口調で言い、胸が苦しくなる。 「どうなの？　ふうくん、教えて」 　囁く声に固唾をのむ。どう答えたらいいのか考えたいのに、余裕を与えないくらいに央華の指が執拗に攻めていた。 「ひぁ、んうぅ……っ！　き、きもち……んぁ」 　央華のまっすぐとした視線も向けられていて、涙が滲んでくるくらい恥ずかしい。 「きもちいいの？」 　頭が真っ白になり、指だけでイってしまいそうなくらい高められ、慧菜の声にこくこくと頷く。 「きもち、いい……ん、ぁっ！」 　中でイけそうなくらいだったのに、指を引き抜かれた。 　余韻でお腹の奥が切なくなる。 　そして、同時にゴムを取り出し封を切る央華に、期待を抱かずにいられなかった。 　握ったままの慧菜がどくどくと脈打ち熱い。