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第13話 月下香
「もっときもちいいの欲しいね?」
見透かすように慧菜がくすりと笑う。
「入れやすいようにしなくちゃ、ふうくん」
「や、あ……慧菜っ」
慧菜が服を脱いでソファの前のテーブルに腰掛け、手を引かれて先走りで濡れる彼の前に引き寄せられる。ふらついてテーブルに両手をつき、自然と央華に腰を突き出す形になる。
心臓がばくばくと高鳴って苦しい。
さっきまで言い争っていたのに、こんな風に協力しあっている二人に混乱する。
期待しつつも、嫌がらないとと思い直し腰を下げると、つぅと背中に央華が触れた。
「楓季、腰あげて」
央華が静かに言う声が耳にこだまする。
「ふうくん、欲しいならいい子にしないと」
慧菜を見上げるとうっとりと微笑んでいた。
せめて嫌がってくれたなら避ける道もあったかも知れないのに、この状況を受け入れているようだった。
中途半端のままの身体は央華に鎮めてほしくて疼いて仕方なかった。
「楓季」
低い央華のきれいな声に名前を呼ばれるだけでたまらなくなる。
身体が覚えてしまった甘い快楽が呼び起こされる。
「腰立たない?」
「仕方ないな……」
結局痺れを切らした央華に腰を掴まれ持ち上げられ、熱く固くなった屹立をあてがわれ息を飲んだ。
「だめ、あっ……――――っ!」
一気に奥まで押し込まれ目の前にチカチカと光が弾け飛ぶような錯覚を覚える。充足感と圧迫感でいっぱいになる。
「ぼくも気持ちよくして、ふうくん」
慧菜の声がして、頭を掴まれだらしなく涎を垂らす口を慧菜のものに寄せられる。
央華に突かれながら、されるがままに慧菜を口に含んだ。決して小さくはないそれを口いっぱいに含み、荒く後ろを攻められる。
与えられる刺激に中途半端に熱くなっていた身体は悦びに打ち震えた。
イきたい……イきたい……。
それだけでいっぱいになる。
嫌がらないとと頭ではわかっていても、身体は言うことを聞かない。
むしろ我慢出来ないと欲してしまう。
激しく突かれて、衝撃で頭が真っ白になる。
「はぁ……ふうくんっ」
切なそうな声を出す慧菜に吸い付くと、口の中でどくどくと脈打つ。
腰を掴み直され、深く出し入れされる。
央華の動きがいつもより激しい。
奥の深いところを小突かれて、苦しいくらいに感じてしまう。
「んっ、ふ! んぅぅっ……!」
促されるままに甘い痺れが全身を突き抜け、後ろだけで絶頂を迎えていた。
締め付ける中で、じわりと熱が広がり、央華も果てたのがわかった。
「次ぼくの番ね?」
余韻に浸る間も無く引き抜かれ、慧菜のそそりたつ昂ぶりから口から離す。
力が入らない身体をふらふらとソファに預ける。
足を広げられ、休む間もなく慧菜のが入り込んできた。
角度的に気持ちいいとこにがっつり当たっていて、敏感になった身体ががくがくと震えた。
慧菜から与えられる刺激に夢中になっていると、央華がゴムをはずし俺の頬に屹立を当てた。そのまま口に入り込む。
「きれいにして」
もう何も考えられず、いわれるがままに舌を絡めしゃぶりついた。
その間も慧菜のじっくりと中を味わうような腰使いに快楽を与えられていた。
央華のはでかくて顎がいたい。
苦しくて口を離すと、顎をすくわれキスで塞がれる。
央華、イったあとキスするの好きだよな、なんてぼんやりと思う。
舌を吸われ、頭がぼーっとなる。
そのまま央華の手が俺に触れて扱かれた。
「んっ、ん! ふぁ……あぁん、んっ!」
慧菜に後ろを突かれながら前を央華にいじられる。
またすぐにでもイってしまいそうで、強い快感にくらくらする。
「あぁっ! あっ、イくっ……イく!」
簡単に昇りつめ、熱を吐き出せる予感に胸を焦がした。
なのに、イけそうだったのに、ぎゅっと根本を握られ、せき止められる。
「なん、で……おうかっ、やぁ……っ! えな、あっ、はぁっ」
意地悪され、たまらずに首を振って不発の切なさに揺れているのに、そこを慧菜がせめたててくる。
中でまたイっちゃう――。
「すご、締まる。ふうくんえろすぎ、顔」
慧菜の興奮した瞳に見つめられ、両手で顔を隠そうとすると、その手を央華にとられ一纏めに掴まれる。
締まる中をこじ開けるように慧菜が腰を振る。いつもなら優しくしてくれるのに、今日は少し荒っぽい。
央華が蜜を滴らせる屹立を握って擦っていく。
イきたい。
イくっ。
なのに、またぎゅっと掴まれ精液を吐き出せず、中だけが甘く痺れる。
熱が静まらなくて苦しさに悶えた。
「やぁっ……イきたい、イきたいっ」
央華を見つめて懇願する。
慧菜が深く中をえぐって、息が詰まる。
「ふうくんやばいって」
「おねが、あぁっ、イかせて……んぁぁっ!」
慧菜にガツガツ突かれて、央華に扱かれる。
央華に唇を奪われ、また限界が近くなる。
そのまま、身体をビクつかせながら熱を吐き出した。
強い快感に気が遠のきそうになる。
慧菜が深く奥に押し付けながら中でイった。
央華の唇が離れ、恍惚としてぐったりとソファに身体を沈める。
気持ち良すぎて頭がバカになりそうだ。
慧菜が引き抜くと、どろっとした液体が溢れ出した。
「ごめん、良すぎて中だしちゃった」
うっとりと俺を見下ろしながら慧菜がいう。
それでやっと中出しされていると気付いた。
なにか言い返す元気もなく、呼吸を整えて呆然としていた。
「お前だけずるい」
央華の声がした。
ソファに横たわされて、後ろに質量の違う央華のが押し込まれる。
こうして比べると、その圧迫感に圧倒される。
果てたばかりで脱力し、されるがままになっていた。
休む間もなく快感と衝撃が押し寄せて、意識が朦朧としてくる。
慧菜なのか央華なのかわからないがキスされ、後ろを攻められる。
気持ちよくて頭がおかしくなりそうだった。
そしてとうとう二人を壊してしまったような、三人の関係を壊してしまったような気がして涙が滲んできた。
しばらくあとにまた中で熱が弾け飛び、奥にこすりつけられる。
泡立った精液でべたべたして気持ち悪い。
ぐっしょりと汗をかき、体液であちこち汚れていた。
何かを失ったような虚しさでいっぱいだった。
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