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第18話 触れたい R15
春斗は再び込み上げる涙を隠すように、七瀬の背に腕を回し抱きついた。
七瀬は何も言わずにそれを受け止め、春斗の後ろ髪を梳くように何度も撫でてくれる。
七瀬の優しい手つきが心地よく猫にでもなったような気分だった。
「ねえ、七瀬さん」
「ん? なんだ?」
春斗は、もう一度七瀬の柔らかい唇に吸い付いた。
「んっ……」
一瞬驚いた七瀬だったが、唇に隙間を作り、春斗を迎え入れる。
春斗は誘われるように、舌を潜り込ませた。
普段は七瀬の方が上背があるが、今は七瀬の膝に乗っている春斗の方が高い。春斗は七瀬の頬を両手で包み込んだ。
「ふ、んん……」
舌を絡めると、官能的な水音が耳を刺激する。
ぞくぞくとしたものが背を這いあがり、身体は熱を訴える。
「……春斗」
「ん、七瀬さん……」
春斗は一度口を離し、七瀬を見やる。
「……本当に身体は辛くないですか?」
「ああ、春斗の力をもらったからな。何も心配はいらん」
七瀬は春斗の髪を梳きながら微笑んだ。
「じゃあ……」
そう言うと同時に、春斗は体重をかけ七瀬を布団の上へと押し倒す。
「春斗?」
春斗は七瀬に覆いかぶさると、その首筋に顔をうずめた。
七瀬からはやはり柑橘の香りが香っていた。
「いい匂い……」
春斗は、そのまま七瀬の首筋に唇を寄せ吸い上げる。
小さなリップ音と共に、七瀬の白い首筋に紅い花が咲く。
七瀬の身体が揺れ、感じてくれているとかと、少し嬉しくなった。
「ふふ、付いた」
大人しくされるがままになっている七瀬に調子付いた春斗は、鎖骨へと舌を移動させる。
そしてそこにも赤い花を咲かせる。
「今日はやけに積極的だな……」
「こんな俺は嫌ですか?」
「いいや。嬉しいよ」
ふわりと微笑む七瀬には大人の余裕を感じる。
なんだか悔しく感じた春斗は、七瀬の余裕を奪いたくなった。
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