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第20話 交わる体温 R18

「ちょ、七瀬さん!」 「春斗……限界だ」  七瀬は春斗の着物を全て取り払い、中途半端に自分に絡みついていた寝間着も乱雑に脱ぎ、放り投げた。 「んんっ、ふぁ、ん」  唐突に深い口づけが降ってきて、春斗はその甘さと激しさに酔いしれる。  七瀬は、春斗の肌を確かめるように胸、腹、太腿と手を這わせた。  春斗は、高まる鼓動と荒い呼吸、七瀬の熱に翻弄され、快感の波に飲み込まれていった。 「んあっ!」  過ぎる快感に浸っていると、太腿を持ち上げ、両足を大きく開かされた。  全てが丸見えである状態に、春斗は顔を耳まで真っ赤に染め抗議する。 「や、だっ、恥ずかしいっ……ッ」 「春斗、綺麗だ」  七瀬は、普段隠されている春斗の秘所に指を潜り込ませた。  春斗は息を飲み、七瀬の指を締め付ける。 「春斗、力を抜くんだ」  七瀬は春斗を安心させるように、優しく春斗の唇を吸い上げる。 「んん、」  口づけに意識をとられ力が抜ける。それを待っていたかのように指の本数が増やされ、丁寧に押し広げられた。  甘い。  七瀬さんの口づけはどうしてこんなに甘いのだろう。甘いだけじゃない、心地よい香りと優しい感触。  春斗が七瀬の口づけに酔いしれていると、七瀬の指が抜かれ、そこにもっと熱く太いものが触れる。 「春斗、入れるぞ」 「んんっ! あぁぁぁッ!!」  一気に貫かれ、限界まで押し広げられる感覚に、春斗は悲鳴を上げた。上手く呼吸ができずに、涙が浮かぶ。  七瀬は、挿入したまま、春斗が落ち着くのを待った。  短い前髪を撫で、額に口づける。  次第に、落ち着きを取り戻した春斗は、苦痛に変わりゾクゾクとしたもどかしさを感じ始めた。 「ん、七瀬さっ、ん……」 「……腰が動いてるぞ?」 「ッ、だって……七瀬さんがっ」 「私が?」  そう言いつつ、ゆるゆる腰を動かし始める七瀬。  しかし、わざとだろう。触ってほしい場所を微妙に外され、春斗はあまりのもどかしさに七瀬を睨みつける。 「や、……いじわる!」 「おお、春斗は恐いなぁ」  七瀬は、笑みを一つ溢すと、腰を大きく動かした。 「あぁぁ!」  突然の強い快感に春斗は背を仰け反らせる。 「ッ、春斗っ」 「あ、んん、ふ、ぁ」  言葉にならない嬌声が春斗から漏れる。  その情景に七瀬も煽られたのか呼吸が荒くなる。 「ああ、春斗、春斗……」 「んん、ぁ、ななッ、さんッ」  七瀬と春斗は夢中で互いの熱を貪った。  何も見えない。何もわからない。  ただ、互いの声と熱と存在を抱きしめた。

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