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星間歩行 7
帰宅後、明人がメールをチェックすると、見知らぬアドレスからメールが届いていた。
明人が短編小説を投稿していた出版社からのものだった。そこには、明人の短編小説が文芸誌の賞を取り、最新号に掲載されると書いてあった。
「やった!」
となりにいた結がビクリと肩を揺らした。うれしさに心が弾む。自分の小説がようやく認められたのだという思いが、落選ばかりの小説の道を明るく照らしている。
「短編小説が賞を取ったんだ」
「すごいな! おめでとう」
結は明人の肩に取りついて、ノートPCの文面を覗き込んだ。
「俺も読んでみようかな」
「いや、いいよ」
結は活字が苦手で本を読まない。明人の小説にも興味を示したことは一度もなかった。それに内容が微妙だしな、と明人が唇を歪ませる。
「どんな話?」
「ホラーだよ」
「ホラー苦手。日本のホラーの湿気た怖さは嫌い」
結が猫のような目を細めて頬に皺を寄せる。
明人は、結が自分の小説を読むことはないだろうと高を括っていた。
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