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第45話 脱がせたい

「いいよ、隠さなくて。あの時は……君が離れてしまうんじゃないかって、不安で可笑しかったから」  そう言って笑っている彼は、どこか寂しげで悲しそうだった。その表情を見て少し胸が、チクリとしてしまった。  どうしよう、僕のせいで変な空気になってしまった。そう思っていると、優しく頭を撫でられた。  その時の彼がいつも以上に、優しくて急に恥ずかしくなってしまった。グラスに残っているビールを飲み干す。 「ほら、グラス傾けて」 「う、うん」  瓶ビールをグラスに注いでくれて、チラチラと見て飲み始める。相変わらず、僕を見て微笑んでいた。 「あのね……確かに怖かったけど、少し嬉しかったんだ」 「嬉しい?」 「うん、花楓って悲しいとか辛いとかの感情を表に出してくれなかったでしょ。それが少し寂しく感じていて」 「うん……」  彼は少し何かを考え込んでいるようだった。僕はもう一度、彼を真っ直ぐに見てしっかりと想いを告げる。 「だから嬉しかったんだ。どんな感情だったとしても、僕にぶつけてくれたでしょ」 「湊……」  僕がそう言って微笑むと、そっぽを向いて静かに泣いているようだった。僕は気がつかないフリをして、残りの料理を食べる。  色んなことを我慢してきた彼にとって、少しずつでもいいから本音を言える仲になりたいから。  僕は彼が泣き止んだのを見計らって、優しく微笑んで声をかける。 「食べよっか」 「うん、そうだな」  僕たちはそれから談笑して、楽しく食事を済ませる。ちょうどいい時間に、中居さんがお膳を下げに来てくれた。  僕たちが美味しかったです。と、声をかけるとお礼を言われた。やっぱ、こういうところの従業員さんってしっかりしてるなと思った。 「お風呂入ろうか。ここ、客室に露天があるんだ」 「それって、二人でってこと?」 「当たり前だろ」  僕は今更って思うかもだけど、恥ずかしくなってしまう。顔を真っ赤にして頷くと、脱衣所の方に連れて行かれた。  浴衣を脱ごうとすると、後ろから抱きしめられた。そして首元に舌を這わしてきて、変な声が出てしまう。  すると僕の帯に手をかけてきて、器用に脱がしていく。急激に恥ずかしくなって、大きな声を出してしまう。 「もうっ……お風呂入るんでしょ」 「だって、脱がせたいじゃん」  それが目的だったのだろか……僕がそう思っていると、更に器用に脱がされてしまう。下着だけにされて、恥ずかしくなってしまう。  露天からの灯りでいつも以上に、しっかりと体を見られているように感じる。急に腕を掴まれて、強制的に彼の方に向けさせられた。  余裕のない表情を浮かべていて、柑橘系の香りがしてドキドキしてしまう。優しく腰と頭を支えられていて、顔が近づいてきた。  僕が静かに目を閉じると、優しくキスをしてきた。次の瞬間に、舌を入れてきてイヤラしい音が脱衣所に響いている。 「んっ……やめっ」 「じゃあ、止めてお風呂に入ろうか」  そう言って彼は僕の下着を下ろして、離れて脱いで裸になった。僕が足りないなと思っていると、耳元で囁かれた。 「そんな顔しないで、まだ夜はこれからだから」 「つっ……う、うん」  僕が静かに頷くと、彼に手を引かれて露天の方に連れて行かれる。空には満天の星空が見えて、景色が違って見える。  椅子に座らせられて、いつもように体を洗われる。なんか触り方がいつも以上に、エッチな感じがする。 「あのさ……たまには、僕が洗おうか?」 「へえーじゃあ、あれやってよ。体で洗うやつ」 「……バカじゃないの」 「やってくれないの? なんでも言って欲しいんじゃないの?」  そういうことじゃないでしょ……とは思いつつ、そんな風に瞳をウルウルされると、断りづらいから止めてよ。  そう思ったけど、折角の旅行だしね……そう思って彼を椅子に座らせて、後ろに回って石鹸を泡立てる。  それを自分の体につけて、彼の背中に思い切って密着させる。それはいいんだけど、どうするんだろ……。  こんなのやったことないから、分からない。ふと彼の耳を見てみると、真っ赤になっていて恥ずかしいのかな?  そう思ったら急に嬉しくなって、イタズラ心が疼いてしまう。エイっと更に体を密着させて、前に腕を回すと掴まれた。 「あのさ、湊……」 「なあに?」 「その辺でやめた方が、身のためだよ」 「……はい」  振り返って見てきた目が、鋭くて身の危険を感じた。そのため静かに離れて、体をお湯で流す。  僕たちは頭を洗って露天に入ると、自然に声が出てしまう。いつものように後ろから抱きしめられている。 「ふう〜生き返る」 「疲れたな〜」  それはそれとして、彼からの視線を感じて見るとこっちを完全に発情した瞳で見ていた。  ちょっと怖くて距離を取るが、笑顔で近づいてくる。その笑顔が怖いんですが……逃げているが、端っこの方に追いやられてしまう。 「なんで、逃げるの?」 「な、んで……その」 「傷つくなあー、湊が自分でやるって言ったからなのにー」 「うぐっ……」  わざとらしく棒読みして、攻めてくる彼に何も言えずにいた。すると急に抱きつかれて、優しく微笑んでくる。  この人……僕がこの顔に弱いの絶対に気付いてるよね。まあいいか、僕も密着して体を預ける。  目を見ると青みがかった瞳が、僕を捉えて離さない。優しくキスをされて、今度は舌を入れてくる。  何度もしているけど、頭がぽや〜として何も考えられなくなってくる。イヤラしい音が、耳元に響いてきて変な気分になってくる。 「湊、いいかな」 「うん……」  僕が頷くと抱きしめられた状態で、僕のお尻を弄ってくる。指を這わしてきて、撫で回すだけで刺激が足りない。 「腰、浮いてる」 「もっとお……」 「オッケー」  指を入れられて、欲しかった刺激をくれた。僕は彼の体にしがみついて、変な声が漏れてしまう。  首筋にキスをされて、吸ったりされた。段々と気持ちよくなってきて、声を我慢することができない。  恥ずかしいけど、お尻の刺激の方に神経が集中している。一本から二本に増やされて、もっと刺激が欲しくなる。 「腰、揺らさないで……挿るだろ」 「いい……よ」 「ダメだ、妊娠するぞ」  完全に無意識で腰を揺らしていたらしく、指摘されたけど……挿れて欲しいけど、妊娠すると言われてしまう。  ――――僕は別に構わないのに。  そう思ってしまって、恥ずかしくなってしまう。彼は僕との子欲しくないのかな……そう思っていると優しく耳元で呟かれる。 「もう少し、二人で過ごしたいから。子供は、またの機会にな」 「う、うん……分かった」  そんな甘いセリフを、キラキラ笑顔で言われたら頷くしかないじゃん。優しく離されて、お風呂から上がる。  急激に恥ずかしくなって、モジモジしていた。くしゃみをすると、タオルで拭いてくれる。 「夏とはいえ、外は寒いな」 「う、うん……」

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