48 / 87
第48話 微妙に腹立つ
透真が言いにくそうに言うと、野次馬の人たちがざわつき始める。運命の番とは、αとΩだけの特性で魂と魂が共鳴する存在。
一生に一度出会えるか、分からない。それもまさか、彼のお兄さんだなんてありえない。
僕は急激に悲しくなってしまって、涙が溢れ出してしまった。彼にしがみついて、声を押し殺して泣いてしまう。
「湊……大丈夫だから、ちゃんと掴まって」
「うん……」
耳元でそう呟かれて、僕は嬉しくなって頷いた。するとそのまま抱き抱えられて、エレベーターの方に歩いていく。
その道中で、心配そうにしている咲良さんが目に入ってくる。彼は咲良さんに指示を出して、エレベーターに乗り込む。
「咲良さん、今日の会議は中止でお願いします」
「分かりました」
エレベーターに乗っている間も、彼は優しく抱きしめてくれていた。何度も優しい言葉をかけてくれていて嬉し涙が出てしまう。
社長室に入って鍵を閉めて、泣いている僕を優しく社長室の机に座らせた。そして優しく抱きしめてくれて、頭を撫でてくれる。
僕も彼に抱きついて背中に腕を回していた。自然と僕たちは、お互いの唇を優しく重ねていた。
「湊、泣き止んだ?」
「う、うん……あの」
「大丈夫だから、一旦休もう」
「うん、ありがと」
何分経っただろうか、ずっと彼は僕を抱きしめて背中を摩ってくれていた。体の自由がやっと効くようになって、僕は彼の目を見て申し訳ないと思いながら告げた。
「ごめんね……会議」
「いいよ、湊のせいじゃない。兄貴のせいでもね……でも、正直堪えるな」
「上手く言えないけど、何があっても僕は花楓が好きだから」
「俺もだよ。絶対に他のやつになんかに渡すかよ」
僕の言葉に、頷いて答えてくれる彼の瞳は優しかった。それと同時に、色んな感情が含まれているように見えた。
例え彼が好きっていうこの想いが、マーキングによるものだったとしても。僕は彼を本気で愛してるのだから。
でもこの状態で明日のご挨拶には行けないよね……運命の番は会えない確率の方が大きい。
人口の数パーセントの人しか、巡り合うことが出来ないと言われている。大抵の人が番を持ってから会うらしいけど。
番がいる人は運命の番に出会っても、反応しないどころか……全く気が付かずに、すれ違うだけらしい。
そう思っていると、彼に不安そうに見つめられた。そして僕が考えていたことと、同じことを申し訳なさそうに告げられる。
「ごめん、湊……明日の挨拶だけど」
「うん、いいよ。この状態じゃ無理だもんね。それに万全の体制で、結婚したい」
「湊……そうだね。絶対に幸せにするから、ちょっとだけ待ってて」
僕たちはお互いに見つめ合って、激しくお互いの唇を求めた。優しく抱きしめられたから、僕は彼の腕にしがみついた。
イヤラしい水音が響いて、柑橘系の匂いも強くなった。気持ちいい……彼とのキスは頭がぽわあとして、体がゾクっとしてしまう。
「か……えで」
「ここ、大きくなってる」
彼に主張している僕の大事な部分に、触れられてビクッとしてしまう。気持ちよくして欲しくてモジモジしてしまう。
ズボンのベルトに手をかけられたところで、僕は会社だと思い出す。そのため、少し彼を引き離して呟いた。
「ここ……会社だ……から」
「いいよ。それに、そのままにしとくのは辛いだろ……お互いに」
耳元でそう呟かれて、体がビクッと反応してしまう。首元にキスをされて、舌を這わされて変な声が出てしまう。
ダメだって分かっていても、拒否することが出来ない。しゃがみ込んで、ベルトを外された。
下着越しに触られて、変な声が出てしまう。少し下着を下ろされて、手で優しく扱かれて、段々と気持ちよくなってくる。
「んっ……あっ……」
下の方から舐められて、ビクンと腰が跳ねてしまう。すると咥えられながら、扱かれて声が抑えられなくなってくる。
彼が僕の目を見ながらしてきたから、変な高揚感が生まれる。イキそうになった時に、口を離される。
なんで……って思っていると、立ち上がってズボンを下ろしていた。下着を少し下ろすと、いつもと同じぐらいに主張している凶器がお出ましになった。
こんなデカいものを、僕の中に挿れているかと思うと少し怖い……よくこんなものを挿れるよな……。
僕のお尻どうにか、なっているんじゃないだろうか……。そう思って見つめていると、ニヤニヤ顔で言われる。
「そんなに、見つめられると恥ずかしい」
「もうっ……バカっ」
なんでそんなにちょっとだけ、イジワルなのだろうか……。机の引き出しから、ゴムを取り出して僕たちのにつける。
というか仕事場の机に、そんなの入れとくなよ……しかも彼の使っているサイズだから、僕には大きい。
仕方ないけど微妙に腹立つ……。そう思っていると、僕のと彼のをくっつけて扱き始める。
な、何これ……気持ちいい。こんなの知らない……初めての刺激に、僕は直ぐにイッてしまう。
「ふっ……んっ」
「もう、イッたのか……」
彼を見ると、物足りなさそうな顔をしていた。そのため、僕はしゃがみ込んで彼のを触る。
間近で見るとやっぱ相当にデカい……ドクドクしていて、なんかグロいなと思ってしまう。
それでも僕は意を決して、口に含んでみる。デカすぎて入らないし、やり方の正解が分からない。
「っ……んっ……もういい、からっ」
そう言われて頭を掴まれて、離されそうになる。それでも彼を満足させたくて、頑張ってみる。
彼の顔を見ると余裕ない顔をしていて、声を必死に押し殺していた。下手じゃないかなと、思っていたけど上手く出来ているかな……。
すると急に頭を強く掴まれて、一気に口の中に入れられる。急にデカくなったようで、一気に熱が溢れ始めたようだった。
思わず口を離すと、咳き込んでしまう。ゴムしてて良かった……じゃないと、怖いぐらいの量が出た。
「ゴホッ……」
「すまん……つい」
ちょっと怒ろうかと思ったけど、そんな顔されたら何も言えない。僕が自主的にやったわけだし……。
立ち上がろうとしたけど、足に力が入らない。そのため、僕は両腕を伸ばして甘えてみる。
「抱っこ」
「もうっ……なんでそんなに可愛いの」
「早く」
「はいはい」
クスッと笑って抱き抱えて、机に座らせてくれた。僕らは身なりを整えていると、社長室のドアがノックされる。
「社長、広瀬さんの具合はどうですか?」
「あっ……ちょっと、待って下さい」
咲良さんに聞かれた彼が、慌てて消臭スプレーをしていた。僕はその間に、立ってソワソワしている。
彼がドアを開けると、咲良さんは僕を見て微笑む。そして僕たちを一瞥して、にこにこ笑顔でこう言った。
「社長、ここは会社なので不埒なことはしないで下さいね」
「……肝に銘じておきます」
咲良さんって怒ると怖い……顔は笑っているのに、目が全く笑っていない。
それと同時にバレてると思って、暫く咲良さんの顔を見ることが出来なかった。
ともだちにシェアしよう!

