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第48話 微妙に腹立つ

 透真が言いにくそうに言うと、野次馬の人たちがざわつき始める。運命の番とは、αとΩだけの特性で魂と魂が共鳴する存在。  一生に一度出会えるか、分からない。それもまさか、彼のお兄さんだなんてありえない。  僕は急激に悲しくなってしまって、涙が溢れ出してしまった。彼にしがみついて、声を押し殺して泣いてしまう。 「湊……大丈夫だから、ちゃんと掴まって」 「うん……」  耳元でそう呟かれて、僕は嬉しくなって頷いた。するとそのまま抱き抱えられて、エレベーターの方に歩いていく。  その道中で、心配そうにしている咲良さんが目に入ってくる。彼は咲良さんに指示を出して、エレベーターに乗り込む。 「咲良さん、今日の会議は中止でお願いします」 「分かりました」  エレベーターに乗っている間も、彼は優しく抱きしめてくれていた。何度も優しい言葉をかけてくれていて嬉し涙が出てしまう。  社長室に入って鍵を閉めて、泣いている僕を優しく社長室の机に座らせた。そして優しく抱きしめてくれて、頭を撫でてくれる。  僕も彼に抱きついて背中に腕を回していた。自然と僕たちは、お互いの唇を優しく重ねていた。 「湊、泣き止んだ?」 「う、うん……あの」 「大丈夫だから、一旦休もう」 「うん、ありがと」  何分経っただろうか、ずっと彼は僕を抱きしめて背中を摩ってくれていた。体の自由がやっと効くようになって、僕は彼の目を見て申し訳ないと思いながら告げた。 「ごめんね……会議」 「いいよ、湊のせいじゃない。兄貴のせいでもね……でも、正直堪えるな」 「上手く言えないけど、何があっても僕は花楓が好きだから」 「俺もだよ。絶対に他のやつになんかに渡すかよ」  僕の言葉に、頷いて答えてくれる彼の瞳は優しかった。それと同時に、色んな感情が含まれているように見えた。  例え彼が好きっていうこの想いが、マーキングによるものだったとしても。僕は彼を本気で愛してるのだから。  でもこの状態で明日のご挨拶には行けないよね……運命の番は会えない確率の方が大きい。  人口の数パーセントの人しか、巡り合うことが出来ないと言われている。大抵の人が番を持ってから会うらしいけど。  番がいる人は運命の番に出会っても、反応しないどころか……全く気が付かずに、すれ違うだけらしい。  そう思っていると、彼に不安そうに見つめられた。そして僕が考えていたことと、同じことを申し訳なさそうに告げられる。 「ごめん、湊……明日の挨拶だけど」 「うん、いいよ。この状態じゃ無理だもんね。それに万全の体制で、結婚したい」 「湊……そうだね。絶対に幸せにするから、ちょっとだけ待ってて」  僕たちはお互いに見つめ合って、激しくお互いの唇を求めた。優しく抱きしめられたから、僕は彼の腕にしがみついた。  イヤラしい水音が響いて、柑橘系の匂いも強くなった。気持ちいい……彼とのキスは頭がぽわあとして、体がゾクっとしてしまう。 「か……えで」 「ここ、大きくなってる」  彼に主張している僕の大事な部分に、触れられてビクッとしてしまう。気持ちよくして欲しくてモジモジしてしまう。  ズボンのベルトに手をかけられたところで、僕は会社だと思い出す。そのため、少し彼を引き離して呟いた。 「ここ……会社だ……から」 「いいよ。それに、そのままにしとくのは辛いだろ……お互いに」  耳元でそう呟かれて、体がビクッと反応してしまう。首元にキスをされて、舌を這わされて変な声が出てしまう。  ダメだって分かっていても、拒否することが出来ない。しゃがみ込んで、ベルトを外された。  下着越しに触られて、変な声が出てしまう。少し下着を下ろされて、手で優しく扱かれて、段々と気持ちよくなってくる。 「んっ……あっ……」  下の方から舐められて、ビクンと腰が跳ねてしまう。すると咥えられながら、扱かれて声が抑えられなくなってくる。  彼が僕の目を見ながらしてきたから、変な高揚感が生まれる。イキそうになった時に、口を離される。  なんで……って思っていると、立ち上がってズボンを下ろしていた。下着を少し下ろすと、いつもと同じぐらいに主張している凶器がお出ましになった。  こんなデカいものを、僕の中に挿れているかと思うと少し怖い……よくこんなものを挿れるよな……。  僕のお尻どうにか、なっているんじゃないだろうか……。そう思って見つめていると、ニヤニヤ顔で言われる。 「そんなに、見つめられると恥ずかしい」 「もうっ……バカっ」  なんでそんなにちょっとだけ、イジワルなのだろうか……。机の引き出しから、ゴムを取り出して僕たちのにつける。  というか仕事場の机に、そんなの入れとくなよ……しかも彼の使っているサイズだから、僕には大きい。  仕方ないけど微妙に腹立つ……。そう思っていると、僕のと彼のをくっつけて扱き始める。  な、何これ……気持ちいい。こんなの知らない……初めての刺激に、僕は直ぐにイッてしまう。 「ふっ……んっ」 「もう、イッたのか……」  彼を見ると、物足りなさそうな顔をしていた。そのため、僕はしゃがみ込んで彼のを触る。  間近で見るとやっぱ相当にデカい……ドクドクしていて、なんかグロいなと思ってしまう。  それでも僕は意を決して、口に含んでみる。デカすぎて入らないし、やり方の正解が分からない。 「っ……んっ……もういい、からっ」  そう言われて頭を掴まれて、離されそうになる。それでも彼を満足させたくて、頑張ってみる。  彼の顔を見ると余裕ない顔をしていて、声を必死に押し殺していた。下手じゃないかなと、思っていたけど上手く出来ているかな……。  すると急に頭を強く掴まれて、一気に口の中に入れられる。急にデカくなったようで、一気に熱が溢れ始めたようだった。  思わず口を離すと、咳き込んでしまう。ゴムしてて良かった……じゃないと、怖いぐらいの量が出た。 「ゴホッ……」 「すまん……つい」  ちょっと怒ろうかと思ったけど、そんな顔されたら何も言えない。僕が自主的にやったわけだし……。  立ち上がろうとしたけど、足に力が入らない。そのため、僕は両腕を伸ばして甘えてみる。 「抱っこ」 「もうっ……なんでそんなに可愛いの」 「早く」 「はいはい」  クスッと笑って抱き抱えて、机に座らせてくれた。僕らは身なりを整えていると、社長室のドアがノックされる。 「社長、広瀬さんの具合はどうですか?」 「あっ……ちょっと、待って下さい」  咲良さんに聞かれた彼が、慌てて消臭スプレーをしていた。僕はその間に、立ってソワソワしている。  彼がドアを開けると、咲良さんは僕を見て微笑む。そして僕たちを一瞥して、にこにこ笑顔でこう言った。 「社長、ここは会社なので不埒なことはしないで下さいね」 「……肝に銘じておきます」  咲良さんって怒ると怖い……顔は笑っているのに、目が全く笑っていない。  それと同時にバレてると思って、暫く咲良さんの顔を見ることが出来なかった。

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