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第83話 特注品

 僕が答えると嬉しそうにしていて、周りから変な目で見られたけど気にしない。結婚式なんだから、これぐらい普通だよね……。  まあ細かいことはいいとして……そんな感じでほのぼのと談笑していると、東雲さんと輝くんに声をかけられた。 「社長に、夫人。おめでとうございます」 「おめでとう! ございます!」 「マジで可愛い……」  夫人っていい響きだな……ジーンとしてしまって、嬉しくなってしまう。輝くんを見ていると、子供が欲しくなってくる。  どのタイミングで子供って作るのかな? そう思って彼を見ると、優しく微笑んでいた。  輝くんの着ているスーツの、胸元のポケットにブーケに入っていたバラを入れていた。そこで僕は気になったことを聞いてみる。 「輝くんって、おいくつですか?」 「今年で五歳です」  五歳か……子供って可愛いよね。完全に癒しというか、無邪気な存在は最高だよね。彼を見ると取引先の人と楽しそうに談笑していた。  まあ、よそゆきの顔してるから心からの笑みではないと思うけど……。僕だけの前だけで、素直に笑っていてくれればそれでいいよ。  そんな感じで立食パーティーは、楽しく終わった。長いようであっという間の、結婚式で僕は満足できた。  式が終わり僕たちは、いち早く帰路についていた。車の中で僕は、彼に自分の素直な気持ちを伝えた。 「あのさ……花楓は、子供欲しくない?」 「欲しいよ。湊との愛の結晶でしょ」 「……よくそんな恥ずかしいセリフ、顔色変えずに言えるよね」 「ふっ、あのさ……湊は、俺にどうして欲しいの」  彼の言っている意味が分からなくて、きょとんとしてしまう。どうして欲しいって、言われても……。  子供が欲しいってだけで……そこで僕は自分がとても恥ずかしいことを、言っていることに気がついた。  子供が欲しいってことは、つまりその……あれをしたいってことを、堂々と言っているってことだもんね。 「あ……あのさ……その」 「ふっ……帰ってからにしよう。車の運転中は、危ないから」 「うん……」  僕が言葉に詰まっていると、赤信号で止まった時にキスをされた。優しく微笑まれて、頭を撫でてくれた。  柑橘系の香りがフワッと香ってきて、急に恥ずかしくなってしまう。もうっ……ズルイよ。  カッコよすぎて、心臓が煩い……僕がそう思っていると、車が動き出して沈黙が訪れた。  何も言わなかったけど、僕の心臓の音が煩かった。彼といると会話がなくても、安心できるから不思議だ。 「湊」 「ん? な……んっ」  いつの間にか、マンションの駐車場に着いていたようだった。いきなり舌を絡ませるキスをしてきて、気持ちよくて彼の腕にしがみついた。  頭と腰を支えてくれていて、彼の体温がダイレクトに伝わってくる。六月とはいえ、もう蒸し暑くなってきている。  今日は気温も高くて暖かいから、暑いはずなのに……彼の体温は、心地よくて気持ちいい。 「俺の紋様が出てきてるな……マジで、エロい」 「んっ……ここじゃ、やだ」 「ふっ……分かってるよ。シートベルト、外して」  僕の舌を触りながら、愛おしそうに見つめてくる。一気に体の力が抜けて、彼の方に倒れ込んでしまう。  シートベルトのせいか、上手く抱きしめられないようだった。彼が直ぐにシートベルトを外してくれて、優しく抱きしめてくれた。  僕たちは当たり前のように、もう一度キスをした。お互いの目を見て微笑み合って、しばらく車の中で抱きしめ合っていた。 「湊、そろそろ帰ろう」 「う、うん……」  僕たちは手を取り合って、僕たちの帰る場所に向かった。玄関に入るなり、いきなりTシャツを脱がされた。  しかもとても爽やかな笑みを浮かべつつ、でも完全に目は獲物を見るようだった。少し怖くて、ゾクリとしてしまう。 「あっ……その、シャワー浴び」 「いいよ……子供欲しいんでしょ」 「……そ、そうだけど……んっ」  前から抱きしめられて、器用に僕の下着のホックを外していく。最初は手こずっていたのに、今では簡単に外せるようになった。  お互いに上半身裸のままで、貪るようなキスをする。腰を支えらえていて、僕は彼の背中にしがみついた。  口を離すと銀色の糸が、見えていやらしい感じだった。首筋にキスをされたり、吸われたりした。  そのまま当たり前かのように、ズボンのベルトに手をかけられた。いつものように器用に、外されていった。 「ま、待って……玄関じゃ、やだ」 「クスッ……そうだね。じゃあ、寝室に行こうか」 「うん……」  彼にお姫様抱っこっされて、寝室に連れて行かれた。ベッドの端に座らせられて、優しくて激しいキスをされた。  しかし直ぐに離されて、何やら怪しく笑っていた。なんかとてつもなく、嫌な予感がする……。  おでこにキスをされて、クローゼットから白色のドレスを出してきた。丈が短くて肩出しタイプで、おへその前ぐらいに大きめのリボンが付いたやつ。  少し前からあったのは、分かっていたけど見て見ぬ振りしてたんだよね。なんかニコニコしてるし、怖いから……。 「花楓……もしかしなくても、それって」 「湊のために、作った特注品だよ」 「……今日着るの」 「ああ、今日着なくていつ着るんだ。これからも、着てほしいけどな」  あー、彼の中で着ること前提なのね……。着たくないって言っても、ウルウルされて折れるんだろうから……。  悪あがきは止めて、大人しく着ることにしよう。僕は立ち上がって、ズボンを脱ぐことにした。 「待って、手伝う」 「自分ででき」 「俺がやりたい」 「分かったよ……もうっ」  ドレスをクローゼットに一旦仕舞って、こっちに来て後ろから抱きしめてきた。嬉しそうに耳元で、囁かれて頷くしかなかった。  もう何でも良いから、早くしてほしい。僕がモジモジしている間に、いつの間にか裸にされていた。  当たり前のように白いというか、ほぼ透明の下着を穿かされた。これ穿く必要性あるのかな……。 「あのさ……ここまでする必要ある?」 「俺が見たいから」 「もうっ……分かったよ」  僕が無理矢理納得すると、ニコニコ笑顔でドレスを取りに行った。もう彼のすることに、ツッコむのは止めようと思う。  かといって何でもかんでも、鵜呑みにするのはよくない。頭では分かっていても、少年のような目をして楽しんでるから……。  彼の思い通りにしてあげたくなる……まあ、目は少年みたいだけど行動は少年じゃないけどね……。  色々と考えているうちに気がつくと、ドレスを着せられていたらしい。 「湊、キツくない?」 「だ、いじょうぶ……」 「この手袋を嵌めて」  渡されたのは白い手袋だったから、素直に嵌めてみる。姿見を見てみると、なんか急激に恥ずかしくなった。

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