「ふぅん。なに？お前、俺を抱く気？」 いつものキャラ少し違う妖艶感じで攻めてみたけど、殊の外動じない奏。 なんか、つまんない。 でも、こんなんじゃ、僕引かないよ？ 「ダメ？」 今度は少し甘えた感じで、小首を傾げる。 「東は？」 ……実は、僕は東に案外ガチだったりする。 いつも、相手にしてる女の子達と違って、素朴で、ほんとにエッチなこととか苦手で。 全然飾ってなくて。 それでいてみんなに優しくて。 からかわれてもずっと、笑ってて。 なんか、僕に歩めない人生を東は歩んでる気がした。 そんな、東にちょっと惚れちゃってる。 でも… 「あいつ僕に靡かないんだもん」 今までの僕の落とし方じゃ、全然靡かなかった。 てか、気づいてなかった。 いい加減しびれを切らすってか、あきらめ時かなって。 あいつと僕が結ばれたって、いいことないだろうし。 「そんで俺？」 奏の声のトーンが下がる。 あ、これ、少し怒ってる… まぁ。普通そうだよねぇ。 「そう。」 駄洒落じゃないよ？ いたって真面目。 だって、僕、奏の事も大好きだし。 滅茶苦茶イケメンだから、正直顔はマジタイプ。 「あいつ悲しむぜぇ。そんなことしたら」 何故だか、奏は少し悲しそうな顔をした。 「んなことねぇって。」 あいつは…東は、僕の事をただの友達としか思ってない… だから…今日は、お前の事抱かせて… そう、言おうと思った時だった 「それに……俺……」 「あっ……」 天地がひっくり返る 「下とか絶対やだし」 奏の綺麗な顔が僕を見下ろしていた。 にやりと少し口角を上げる。 …冗談でしょ…？ 「んっ」 逃げ出そうともがくけど、体格差のせいか、奏の力が強いのか、身体がびくともしない。 ひとしきり動いて、脱出を諦めると、奏は僕の咥えていた煙草を掴んだ。 「タバコ貸せ……すぅ……ふぅ。」 僕のKOOLを一口吸い、その煙を僕に吹きかける。 やっぱ奏がやると、絵になるなぁ… じゃなくて！これって… 「俺がお前抱いてやるよ……ちゅっ」 奏の唇が僕の唇を塞ぐ。 いつも吸ってる、KOOLの味。 ちょっと大人の煙ったい味が僕を包む。 奏の舌が僕の口をこじ開け舌と舌を絡ませ合う… 舌が歯列をなぞり口の中のこそばゆいところを的確についてゆく。 「んっ……あっ……そうっ……お前……」 やばい…キスうまい… 腰砕けになる… どこでこんなスキル身に着けてくるんだよ… 「ふふっ……顔エロいぜ？」 いつもクールな奏が、色気たっぷりで愛でてくる… 身体も、心もとろけそう。 「んっ……やめっろ……」 僕はあくまで攻め！ 何とか逆転しないと。 その時。 部室の扉が開いた 振り向くと、大量のお菓子の入ったレジ袋を持ったまま、訳も分からないと言ったように固まる東の姿があった。 「ただいまー。………えっと……お、お邪魔しました！」