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長い一日を終えて 3
「いやー。今日も女の子に告白されちゃってさー。」
モテるためには髪の毛のセットも大事なんだぞー、奏!
髪型がかっこよければ顔が普通でも割とモテたりするんだぞー。
実際、今日も結衣ちゃんにコクられたわけだし。
でも、コクられるのは割と慣れてたりする。
実際昨日も告白されたし。
といっても、そのほとんどがギャル系の女の子で、結衣ちゃんみたいな清楚系な女の子はほとんどない。
それだけあって、今日の告白された時はすごく緊張したし、罪悪感もすごかった。
「ふーん。」
奏は、興味なさそうに煙草を吹かす。
まぁ、奏って、恋愛とかあんま興味なさそうだよなぁ。
実際恋人の僕にも冷たいし。
することだけはちゃんとしてそうだけど。
「それがまた可愛くてさー。割とタイプだったしー。」
結衣ちゃんは顔もさることながら、声や、仕草もかわいい。
きっと恋人になったら、手作りのお弁当を作ってくれるんだろうなぁ。
奏だったら、絶対ありえないよね。
まぁ、東だったら作ってくれそうだけど、味には期待しない方がよさそうだけど。
「ふーん。」
奏は、天井を見上げたまま相槌を打つ。
もっとさぁ、興味あり気に聞けないのかなぁ。
東だったら、もう興味津々で聞いてくれるのに。
「あぁー。断らなきゃいけないのは残念だったなぁー。」
ぽつりと本音が漏れる
「ふーーーん。」
いかにも、興味がないといったような空気を出す奏。
でも、あんな美少女に告白されるなんてそうとうなステータスなんだから。
きっと、奏も結衣ちゃんを見たら腰を抜かすはずだ。
「その子同じクラスの桜沢結衣ちゃんっていうんだけど、今度奏も見に来なよ。まじでびっくりするから」
僕の話を聞きながら、奏は吸っていた煙草の火を消した。
「穂影」
奏の低い声が部室の中に響く。
「んー?なぁに?」
ようやく僕の興味を持ったのかな。やっぱり、熱く語れば伝わるもんだねー。
やっと、まともな会話ができそう。
一人でずっとしゃべってると悲しいもんね。
「そんなに女のことが抱きてーのか?」
「だってぇ。女の子って柔らかいしー、いー香りだしー。そりゃ、たまには抱きたいってかさー、」
まぁ、健全なオトコノだから、多少はねぇ。
でもまぁ、今は恋人がいるから別にいいんだけどさぁ。
「ふーん。俺と東じゃ満足できないんだ。」
いやいや、そんなこと言ってないじゃーん。
てか、二人の相手してるだけでも割と体力いるのに、それで、満足できないのなんて、それこそ奏ぐらいだと思う。
「満足できないってかさぁ、偶には……んっ」
突然奏の唇が僕の唇を塞ぐき、言葉をさえぎられる。
さっきまで、隣のソファにいたはずの奏が、僕の上にまたがっている。
てか、あれ、なんか奏、怒ってる…?
「んな、生意気な事いう口はこれかぁ?……んっ……ちゅ」
奏の舌が唇を割り、口へと侵入してくる。
奏の舌は僕の唇を動き回り、快楽へと導いてゆく。
「んっ……奏っ……キスうますぎぃ」
「うるせぇ。今更褒めんな。」
褒めてないっての…
悪態をつこうとすると、奏の手が僕の首元へと延びてきた。
シュルシュルっとネクタイをほどき僕の手頸へとあてがった。
「よいしょっと。」
「え?奏?なんで縛ってるの?」
呆気にとられている間に、抵抗する暇もなく手際よく、縛られてしまった。
え…?なんで?
「お仕置き」
「ちょ!待って!」
いまいち、理解できてない僕を余所に、奏はにやけた顔で宣言した。
まさか、僕が結衣ちゃんの話してたから、嫉妬したとか…?
「んー。何がいいかなぁ」
散らかった、部室の中から何かを探す奏。
部室の中には、東をイジめるためにかってきた、様々なものが散乱している。
「待てって!」
あんなもの使われたらたまったものじゃない。
えげつない太さのハイブや、変な媚薬。
マジで、無理だからな…
「フツーのことやっても、お前は気持ちよくなるだけだもんなぁ」
「おいっ!」
待って…きもちいのでいいじゃん!
痛いのとか僕嫌だからね!
「そういえばこの前お前が買ってきアレがあったな」
奏が思い出したように言った。
あれって、まさか…
「待て!アレは東を虐めるように買ってきた奴で!」
「あったー。電気プレイ用の電極」
やっぱり……
どうやら僕、これから、電気プレイを食らうみたいです…
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