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第27話 みんな揃った
片付けを終えて社務所に集まり、オショーがみんなを紹介する事になった。
「まずは、私、犬塚鍾馗。この神社の宮司です。
オショーと呼んでくれ。79才だよ。
犬はシノ。柴系の雑種かな。」
「俺は、犬江鉄平。ニートでぇす。25才。
犬はシンベヱ。」
次も鉄平が代わりに言う。
「サトウこと、犬飼隆由。25才。
彼は普段はとても無口だけど、ラップの時は雄弁だよ。犬は源八。」
サトウは軽く頭を下げて会釈した。
太った奴が声を上げた。
「俺はナナオ。犬田真。同じく25才。
犬は小文吾。ほっそいだろ。イタリアングレイハウンド。こう言うスリムなのが好きなんだ。
女優の菜々緒の大ファンだから、ナナオと呼んでもらってる。」
次はジョー先輩。雰囲気のある人だ。カッコいい。
「俺、犬川譲治。犬は荘助。
チョコラブ。黒く見えるけど濃い茶色だ。
27才。よろしく。」
口数少なく取っ付きにくいが、渋い大人のムードだ。
「DJタイジ。犬村退治。25才。
黒人音楽が大好きです。それからパーカッション。叩くものなら、太鼓でもジャンベでも、カホンでも何でも好きです。
アフリカの大地で思い切り太鼓を叩いてみたい。
犬は大角。荘助と兄弟らしい。」
黒衣のナース姿の可愛い娘が挨拶した。
「俺は琥珀。17才。生物学上は男です。
別に女になりたいわけじゃない。
アニメとコスプレが好きで、時々女装したりします。衣装は自分で作ります。
犬はケノ、トイプードル。」
背の高いカッコいい女の子の挨拶の番だ。
「犬山彩子、20才。
彩子だけどサイコって呼んで。色彩とかの彩だから。何故かあたしはサイコパスな人間を見つけちゃうんだよ。
犬は道節くん。フレンチブル。
あたしはフィメールラッパー、よろしく。」
オショーが
「八犬士が揃ったね。みんな信じられないかもしれないが八犬士が集まった。
これは何の天啓か?」
失笑を買った。
「オショー、無理矢理こじつけるの止めて。
馬鹿馬鹿しいよ。ま、ここは八犬伝の舞台に近いけど。」
「チーム、エイトドッグスだ。」
「わああ!死ぬほどダサい!」
「俺たちラッパーのセンス疑われちゃうよ。」
それでも偶然か、みんな犬を連れている。
みんな名前に犬の字が付いている。
この土地に多い名前なのか?
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