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第70話 『無頼庵』

 コスプレショップ『無頼庵』のスタッフはオショーが面接して選んだ。  みんなそれぞれ推しがいて衣装に凝っている。 頼もしいメンバーだ。  フレディと名乗っている彼はいつも女装している。もちろんフレディ・マーキュリーが大好きなのだ。30才、某モードセミナーで服飾デザインを学んだ。 「フレディ・マーキュリーが好きなら、タンクトップに短髪に髭、じゃないの。」  もう一人のメンバーは、キリリとしたサムライ、新撰組の沖田総司に心酔しているこうちゃん、16才、一番の若手、が言った。 「アタシはゲイのフレディに愛されたいっていうコンセプトなのよ。生き返って欲しいわ。」  あともう一人、頼りになる洋裁の神様、不二子ちゃん。地味な女性に見えるがコスプレの生き字引。洋裁師でもあり、コスプレにも詳しい。  けれど、自分はいつも地味な服装だ。年は35才くらいか?  玉梓の得意なのは和裁。不二子ちゃんも玉梓に習いたいと期待している。  面白い仲間が次々に現れる。オショーの思惑通りだ。ここをいろいろな人たちの解放区にしたいと考えている。  最初に始動したのは、オショー肝入りの『無頼庵』だったので白浜ベースの核のようになった。  もちろん琥珀も主要メンバーだ。なんとあのサイコも手伝っている。 「アニメなら得意分野だよ。 お裁縫は出来ないけど。写真撮影なら出来るよ。」  バイトして買った一眼レフがある、ということで撮影担当になった。  サーフショップのコージさんにいろいろ教えてもらって、白浜ベースが始動した。

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