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第114話 白浜ベース 2
琥珀がこの前下◯沢に行った時は男の子の格好だった。パーカーにジーパン。特段、ゲイには見えない。もともと女装は好きだがゲイに寄せている訳ではない。
五月雨が喜ぶので女装することが多い。この頃はコスプレの商品見本のようにもなっていた。とにかく可愛いのだ。
キングクラッシャーと名乗った亮という人。ボスなのか、カッコいいイケメンだ。今時の若者らしく、オシャレだ。太いカーゴパンツ。
サイコが
「ヒロシも馬鹿みたいにタトゥーだらけだけど、亮も結構入ってるね。
ウチのタイジとジョーも入れてるよ。」
「サイコは入れてないんだな。似合いそうなのに。俺の先輩ですごい『マリア観音』入れてる女の人がいるよ。」
さっきロックバーから来たタイジが
「それ俺の知ってる人かもしれない。
サリナさんじゃないですか?」
「え、サリナ知ってんの。
もう結婚して双子のママだけどな。」
「マコスファミリーのマコさんの娘ですよね。
蒲◯じゃ有名ですよ。」
共通の知り合いの話題で場が盛り上がった。
「亮は昔っからイケてたけど、今は下◯沢を仕切ってるんだ?」
横からヒロシが
「キングクラッシャーで、もう亮の上に立つキングはいねぇよ。みんな亮一人で叩き潰した。」
亮はタイマンで悪そうな奴を片っ端から叩いた。中坊の頃、頭角を現したガキが、突っ張った奴を全部潰したのだ。
「人死に、が出なくてよかった。
亮を(警察に)持ってかれなくて、な。」
そんな伝説が下◯沢を抑えている。
粟生がやって来た。ナナオを従えて(?)いる。
「みんな集まって何してるの?
ねえ、アタシにも紹介してよ。」
イケメンの亮に擦り寄って来る。
「触んな。俺は女嫌いなんだよ。
女アレルギーなの。 ぶわっくしょん!」
盛大なくしゃみをした。
「何よ、感じ悪い。
こっちの人はあんたの子分?」
「子分とは何だよ。俺はヒロシ、サイコの元カレ。」
「冗談!あんたが彼氏だった事ないわ。
無いわぁ。マジで。」
「俺の顔潰したな。」
「元々潰れたような顔じゃん。」
「なんだと、このヤロー、女だからって人を甘く見んなよ。」
「顔の事は止めろ。虚しいだろ。」
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