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第115話 図書館カフェ
カフェの海が見えるテラスで、下◯沢から来た奴らが和んでいる。
五月雨は、さっきから亮が琥珀を見つめているのが気になる。
「ミカドが一緒に来たいってうるさかったんだ。
そのウチ、連れて来ていいかなぁ。」
「商売しないんならいいんじゃない?」
「あいつはメイさんにマジ惚れしてるから。
もうあんな仕事からは、足を洗うって言ってるよ。」
「それなら連れて来るなよ。面倒だ。」
(おまえは琥珀を見つめ過ぎなんだよ。)
苛立っている五月雨に気付いて,琥珀はそっと手を取る。
「で、亮たちは今日は何しに来たの?」
「いや、別に大した目的はないよ。
面白そうだな、と思って、さ。」
なんだか歯切れが悪い。
「白浜ベースってカッコいいじゃん。
海があるっていいよな。」
カフェのおすすめメニュー。ジョーが作ったキッシュとハンバーグのプレートをみんなで食べた。ドリンクもおすすめ「ベルガモットのささやき」だ。アールグレイの水出し紅茶をオレンジジュースで割ったものだ。
「すごい、うめぇ。」
下◯沢のDQNたちが喜んでいる。
「今日のメンツは精鋭たちなのか、紹介してくれよ。」
五月雨が亮に振った。
「今日はクルマ2台とバイク3台で来たんだ。
バイクは、ブンちゃん、快、蓮司。
クルマは俺の運転手、アツシ、ともう一台ヒロシの舎弟で達也。
他にもメンバーはいるが、よくつるんでんのはコイツらだ。
俺、酒が好きであまり運転はしねぇ。」
揃いも揃って半グレ然とした7人だった。全員タトゥーだらけだ。
「じゃあ、後でロックバーに行こう。
いい酒が揃ってる。」
琥珀が五月雨を見てうなずいている。おじいちゃんの選んだ酒が評判のバーだったから。
「今日は店にDJタイジがいる。カフェにナナオとジョー先輩もいただろ。
たまにラップバトルもやるんだよ。」
さっきから琥珀を見つめている亮の事が気になる。
粟生がヒロシにチョッカイを出している。
ナナオなんかそっちのけで腕を組んで何か言っている。
「ウゼェなぁ。おれは女は間に合ってんだよ。
俺はサイコの元カレだ。今彼でもいいよ。」
粟生は誘っている。全く際限がない。
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