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第120話 三郎の配信
三郎は時々ネットに配信する自分のアカウントを持っている。
それに好意的なコメントをくれるファンが付いている。傷つけるようなアンチはすぐに削除する。
ーー物事には全て意味がある。それは、誰にとってか、と言う事ではない。
森羅万象、全てに必然が存在すると言う事だ。
無意味な事などない。生きるも死ぬもこの世の理(ことわり)
永遠に続くかと思われる時の流れ。その時々に生物が現れたり、絶滅したり宇宙規模で考えるとそれも一瞬。
星ができ、星が消え、何万光年離れた所の出来事が小さな光となってこの場所から見えたりするのは何故だろう。
今見えている光はすでに存在していないかもしれないのに。
夜空を眺めているだけの小さな人間という生命が、星の瞬きを見ている。まさに一瞬のことだが、それは気の遠くなるほど離れた所で,1つ星が消滅した瞬きかもしれない。
その星にも何か生命の営みがあったかもしれない。泣き叫びながら、絶望のうちに星の消滅と共に消えて行ったたくさんの命があったかもしれない。もちろんなかったかもしれない。
それでも夜空には星が光る。それをここで見ているちっぽけな人間がいるのはたまたま、なのか?地球に人間が現れたのは偶然か?
そうは思えない。それを「神の意志」た、などと言いたくない。「神」はそれを簡単に考えるための「ツール」でしかない。ーー
サブはいつもそんなことを考えていた。いつからだろう、こんな思いに囚われ始めたのは。
こんな思いをネットに書き込んだ。
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