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第138話 書き込み
また、サブ宛のネットの書き込みがあった。
三郎は目が離せない。
ーー時間の観念も研究し尽くされ自由に操作出来るようになった未来。時間を思い通りに操れるようになったら、もう肉体の死、は怖いものではない。
年を重ねるごとに衰える身体を捨てて、健康だった過去に戻ればいいのだ。そんな事を繰り返して行くうちに不完全な身体は初めから必要ないのでは?という考え方が広がって行く。
時間を操作出来る,という事は、死、をも超越してしまった。
この生命体は、人生の再体験の後、個、を離れて他の思念の集まっている所に集合する。
進化した生命体はこの謎も克服する。宇宙のどこかに、肉体を離れて集合する。質量も何もない。でも消えてなくなるわけではない。一つ一つ個、を保ち集合体にもなる。
これが魂の本来の姿なのか。仏陀はこの状態を『妙』と現した。まさしく言い得て妙、だ。
では何故、地球のような生命がごった返した星があるのか?
限りある肉体を持った生物が、生きるために殺し合う星。
『青い美しい地球』は殺戮の星だ。他者の命を喰らうことでしか生きられない。全ての生き物が殺し合う。こんな宿命を負わされた星は他に観測されていない。
「何のためだ?」
地球は流刑地だった。何が罪で、誰が裁き、この流刑地送りを決めるのか。想像するしかない。あくまでも仮説だ。
まず、遠い昔、ある惑星に生命体が現れ、目覚ましく進化した。生物としての快適さ、の追及が彼らの最優先事項だったから、彼らが望み必要とする物事のために全ての存在は消費された。
その生命体が必要と思えば、他の生命はことごとく蹂躙し尽くされ、その惑星自体も破壊されて行く。
その生命体はまだ、肉体があったから、それを維持するために、他のものは犠牲になっても当然だ、という傲慢な考えを持つ。進化がその生命体を連鎖の頂点に押し上げた。
このサイコパスな存在は、しかも、集団だったのだ。
肉体を所有する事の不便さ、脆さ。その中で一部の気づきが肉体を捨てた。滅びゆく仲間の中で、気づいた者たち。それは、あらゆるしがらみを削ぎ落とされて思念だけの存在となった。
しかし、まだ、肉体を捨てなかったものたちがその星を破壊し続ける。
手に負えないその存在が送り込まれたのが地球だ。流刑地となった地球でまたもや自分たちの快楽を追求する生命体。様々なものを地球に作り出す。それは破壊か、文明か。
こうして償いの流刑地とも知らず、また、蹂躙が始まる。
誰が?というのはない。自然の成り行きだろう。ーー
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