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第172話 聡とタカヨシ 2

 タカヨシの腕枕で抱き込まれて眠った。心地よいセックスの疲れで眠りに落ちていた。  夜中に目を覚ます。ゴツゴツしたタカヨシの腕に抱かれて、満ち足りた気持ちだ。この手を離したくない。こういうのは女子の考えかな?と思った。愛する人に抱かれて幸せだ、なんて。 (オレはやっぱり、女々しいのかな。)  顔を見てるとタカヨシが目を覚ました。しっかり見つめ合ってしまった。 「おはよ。聡、好きだよ。」  嬉しいと感じる自分は、もう完全にゲイだ、と思う。信じられない。今まで思ってもみなかった。男を愛するなんて。  男の身体は綺麗だ、と思う。聡は女を知らない。比較する事は出来ない。  でもタカヨシの身体を触っていると、気持ちいいのだ。 「聡、くすぐったいよ。ずっと触ってるね。」 「うん、気持ちいいんだ。」 「俺たち、まだ最後までやってないんだよ。 聡、わかってた?」 「え?そうなの。じゃ、今度一泊旅行に行く時に取っておこう。」  昨夜はお互いを口で愛して満足した。挿入はしなかった。それでも満ち足りた気持ちになったのだ。熱いくちづけを交わした。 「朝マック行こうぜ。」  起き出して服を着ているタカヨシの長い指を触った。抱き寄せられて胸に密着した。  思わずその胸の突起に吸い付いた。舌で転がす。 「あ、あん、そこは感じる。弱いんだ。」  タカヨシが蕩けている。強く吸い付いた。 シャツのボタンが留められない。向かい合ってボタンを留める。 「タカヨシのシャツ、カッコいいね。」 「ああ、白いシャツにはこだわりがあるんだ。」 「おしゃれだ。」  緩いダメージジーンズに白い綿のシャツ。 着古した革ジャンを羽織っている。 「革ジャンもカッコいい。」 「もう何年も着てるポールスミスだよ。」 「自分で服なんか買うんだ?」  タカヨシは全部かっこいい。 腕に付けている木製のビーズのブレスレットを外して聡の手首に付けてくれた。 「幸運のビーズだって。切れたら願いが叶うんだ。聡に似合うよ。」  また、くちづけをもらう。

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