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第173話 聡とタカヨシ 3

 ミラに乗り込んで駅の近くのハンバーガーショップに行った。聡の痛車は注目の的だった。  背の高いタカヨシは、外で見てもカッコいい。聡もそこそこイケテルと思っているが、タカヨシは何だかまとっているオーラが違う気がする。  ハンバーガーショップでは外のテラス席に座った。 「俺、タバコ吸いたいんだ。いいか?」 タカヨシは酒もタバコもやる。大人だ。 「タカヨシは何才?」 「25才だよ。 鉄平もナナオもタイジも同い年だ。 ジョー先輩は2コ上だ。聡はいくつ?」 「オレ、23才。まだ学生だ。高校、普通に行ってないから、結構いい年だ。」 「偉いな。大学生なんだな。」 「うん、見栄張って頑張った。」 「何者になりたいの?」 「弁護士とか、見栄張れると思って法科に行ったんだ。」 「凄いな。」 「今となってはもうどうでもいいって気がする。 痛車作るのも面白いし、スサの名前でネットに書くのも面白いんだよ。」  タカヨシが手を握ってきた。 「全部、聡だ。頑張った聡なんだ。偉いな。」 笑って頬にキスしてくれた。  隣の席で食事していたカップルが嫌な顔をした。男同士はやっぱり違和感があるのだろう。 「キモいっ。ほっぺにキスした。いやだわ。 ホモ?」  カップルは若い夫婦なんだろう。女の人のお腹が大きい。こっちを汚い物でも見るような辛辣な言い方をされた。負けずに 「キモいっ。こんな不細工な女とセックスして 孕ませてるんだ。イモ?」 タカヨシが韻を踏んだ。やりすぎだ。 「やめろよ。失礼だよ。」 聡はハラハラした。タカヨシは気が強い。  ラップの時もケンカを売ってるようだった。 過激な男。そこが魅力だ。  車に乗り込んでオショーの神社に行った。昨夜 酔っ払いのタカヨシはシュナウザーの源八を玉梓に預かってもらっていた。  シノと一緒に連れて帰ると言ってくれたのだ。 賢い犬は一人でも家に帰れるけど、シノと仲良しなのだった。いつも散歩に行く神社だから慣れている。 「また、シノちゃんのご飯を分けて貰ってるな。」 源八とも熱い友情が感じられる。

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