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第184話 琥珀と五月雨
五月雨は自分に課せられた呪いのようなものを思った。
家に帰って来てその胸に琥珀を抱きしめた。
「確かにこの手に抱きしめられるのに。
琥珀は確かにここにいる。
心もここにあるだろうか?」
「メイ、なんだか変だね。心と体は一つじゃないのか?死ぬまで一緒にいよう、ってメイは言ったけど、死ぬまで、って限定したのはなぜ?
メイは何でも知ってるんだろ。玉梓さんの事も知ってたのか?長く生きてるって。」
五月雨は困った顔をした。
「簡単に理解してくれ、とは言わないが、琥珀にだけはわかって欲しい。
ずっと一人だったんだ。この呪いを分かち合える人なんていないと思ってたから。」
「呪いだ、って決めつけてはいけないよ。
本当に呪いなのか?呪いなら俺にも分けてくれ。
メイと一緒なら呪われてもいいよ。」
「昔から,深く暗い闇の底から,こっちを見てる何かがいる。僕はその感覚とはずいぶん長い付き合いだ。怖かった。怖くて仕方ない。
たった一人で背負っていかなくちゃならない、と覚悟していた。わかるかい?」
愛し合った。今までにない激しい愛し方だった。
「メイ先生、このまま二人でどこか遠くへ行ってしまいたい。」
メイ先生は優しく「おいで」と言った。その広いベッドに横たえられて服を脱がされる。
今日はお互いにシンプルな服装。ベットの上に座ってバンザイの格好でTシャツを脱がされる。
上半身裸になって抱きしめられた。首筋を唇が這って敏感な所に降りてくる。
「ひっ、くすぐったいよ。あ、ダメ、そこダメ。」
「琥珀、素敵だ。」
胸を弄られて身体が跳ねる。
「俺、こんな所も感じるなんて。」
「僕の琥珀は生きてるんだ。」
五月雨もシャツを脱いで裸で抱き合う。意外と筋肉質な五月雨の身体がセクシーだ。
ベッドサイドの引き出しから、ローションとゴムを取り出した。下着を脱がされて、情け容赦なくローションを塗り込める。
「あ、メイ先生。」
また、先生呼びが復活している。耳元で
「もう、先生じゃないよ。
先生に犯されたいのか?」
「ち、ちがうよ。ゆっくりやって。
メイ、ゆっくり解して。」
いきなり足を開かされた。
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